2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ元素で表面修飾した劣質未利用炭素資源を用いる新規コークス製造システムの開発
Project/Area Number |
23656506
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坪内 直人 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90333898)
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Keywords | 石炭 / 乾留 / 軟化溶融 / コークス / 含窒素化合物 / 含硫黄化合物 / ギーセラー流動度 |
Research Abstract |
本研究では、製鉄産業に係る資源動向を充分に鑑み、コークス製造用原料炭(粘結炭)の使用量を最小化する技術の開発を主な目的とする。特に、窒素と硫黄を多く有する石炭は高い軟化溶融性能を示すという最新の報告に従い、ヘテロ元素で表面修飾した劣質未利用炭素資源を用いるコークス製造システムの開発に取り組む。 平成23年度は先ず、コークス製造過程での窒素と硫黄の行方を詳細に調べ、その結果、これらのヘテロ元素の一部は乾留時にHCN、NH3、H2Sとして脱離し、450℃までに発生するガス状窒素化合物の量とギーセラー最高流動度の間には良好な相関関係が存在することを明らかにした。一方、450℃までのH2S量と流動度の間には負の関係が認められた。 上記の結果に基づき、最終年度は流動性能に及ぼす含N・含S化合物の添加の影響を主に検討したところ、流動度は石炭にカタ縮環ーアセン型であるアントラセンやフェナジン、ピセン型のフェナントレンを加えると大きく低下するが、窒素を有するフェナントロリン(ピセン型)を添加した場合は保持され、さらに、インドールを加えると著しく向上した。また、石炭表面をNH3処理すると流動度は幾分増加した。以上より、Nおよびベンゼン環の縮環の仕方が流動性に影響を及ぼすことが明らかとなった。これに対し、石炭にジベンゾチオフェンを加えると、フルオレン添加時より流動度は低下し、これは無機硫黄化合物の添加時にも観測されたことから、S元素は流動性を低下させる可能性が強く示唆された。
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Research Products
(8 results)