2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656508
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山中 一郎 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (90240051)
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Keywords | 炭酸ジフェニル / パラジウム / 電極触媒 / ナノ粒子 / カルボニル化 / フェノール / グリーンケミストリー / 電解合成 |
Research Abstract |
23年度の研究で炭酸ジフェニル(DPC)生成活性のあるPdCl2/AC電極触媒のキャラクタリゼーションおよび作用機構を検討した結果,反応中に活性炭上にPd金属ナノ粒子が生成していることが明らかとなった.本年度は,各種炭表面上にPdナノ粒子を粒子径を制御した材料を合成し,これを用いてフェノールの電解カルボニル化反応を実施し,DPC生成活性との相関を研究した.具体的にはカーボン担体として活性炭の他に,カーボンファイバーVGCF,カーボンブラックXC72,カーボンブラックKB,カーンブラックBP2000を用い,パラジウム担持量を1-20重量%,水素還元温度を100-400℃まで変化させ,様々なPd/C電極触媒を合成した.これら電極触媒のPd粒子径はTEM観察により決定した.これらを用いて1mAの定電流電解カルボニル化反応を行い,DPC生成活性と比較したところ,Pd粒子径と強い相関があることが明らかとなった.DPC生成活性を示すPdは5nm以下であり,特に2nm以下のPd金属粒子が担持された電極触媒が高活性であることを見出した.特に 120℃で低温水素還元した10wt%Pd/KB電極触媒が有効であることを見出した.この Pd/KB電極触媒を用いて,DPC生成反応の反応条件の適切化を行った結果,電流効率80%でDPCを選択合成できることが分かった.23年度の研究ではDPC生成の電流効率は40%であり,大幅な電極触媒作用の改善が達成できた.本研究成果から,より効率的にDPC生成反応を進行させるためには2nmよりも更に小さなPd粒子,つまり原子状のPd金属が有効であることが強く示唆された.今後,飛躍的にDPC生成活性が向上することが期待できる.
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