2012 Fiscal Year Annual Research Report
金属サブナノクラスターの精密な構成原子数制御法の開発
Project/Area Number |
23656514
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水垣 共雄 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (50314406)
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Keywords | サブナノクラスター / デンドリマー / パラジウム / 触媒 / ナノ反応場 |
Research Abstract |
本課題では、粒子径1nm以下のサブナノ金属クラスターの精密合成法の開発を目的としている。サブナノクラスターでは、ほぼすべての構成原子が表面に露出しており特異な反応性が期待されるものの、その精密な合成法は未だ確立されていない。本年度は、デンドリマー内部に取り込むPd(II)イオン数や還元条件を制御することで、1nm付近のPdクラスターの選択的合成を行った。Pd(II)イオンの取込み方法は、Pd水溶液とデンドリマー溶液との攪拌、抽出法を適用し、還元剤の量、反応温度を制御することで、より精密なクラスター調製を行った。 これらのサブナノPdクラスターの反応性を検討するために、アリル位置換反応や水素化反応を検討し、サブナノ領域におけるクラスターサイズ依存性がクラスターの電子状態変化に基づくことを明らかにした。 さらに、異なる階層構造を有するデンドリマーの設計によりコア-シェル型デンドリマーの合成を行い、さらにこのデンドリマーを用いてサイズ制御されたサブナノPdクラスターを調製した。この、デンドリマー内包Pdクラスターを用いて水素化反応、水素-重水素交換反応を行い、クラスターサイズに依存した反応性が発現することを見出した。これらの調製したサブナノPdクラスターは電子顕微鏡観察による構造解析が困難であることから、高輝度放射光施設を利用したX線吸収微細構造解析によりサイズの確認および電子状態の解明を行い、Pdクラスターの電子状態の変化を見出した。サブナノ領域での電子状態の変化は、クラスターの構造およびデンドリマーとクラスターとの相互作用に由来すると考えられる。
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Research Products
(13 results)