2012 Fiscal Year Annual Research Report
増殖シグナルを指標とした動物細胞での蛋白質間相互作用のスクリーニング
Project/Area Number |
23656516
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河原 正浩 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (50345097)
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Keywords | 蛋白質 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 生体機能利用 / プロテオーム |
Research Abstract |
細胞内でタンパク質は生体にとって不可欠な様々な機能を果たしている。疾患のメカニズムの解明や創薬ターゲットの選定などにおいて、注目するタンパク質が他のどのタンパク質と相互作用するのかという情報が重要となる。 本研究では、偽陽性の少ない新規タンパク質間相互作用検出法を開発するために、サイトカイン受容体の一つであるc-kitに着目し、c-kitを改変したキメラ受容体を用いたタンパク質間相互作用検出法を提案する。この手法では、注目する二つのタンパク質のそれぞれにc-kit細胞内ドメインを融合したキメラ受容体を作製し、これらを動物細胞で共発現させる。タンパク質間に相互作用が存在する時c-kit細胞内ドメインが二量体を形成するので、細胞増殖を指標として相互作用を検出することができる。 まず始めに同種のタンパク質同士の相互作用を検出することができるかを調べるために、小分子AP20187依存的に相互作用するFKBP変異体をモデルタンパク質として用いてキメラ受容体を構築した。このキメラ受容体をマウスpro-B細胞株Ba/F3細胞に発現させたところ、これらの細胞はAP20187依存的な増殖を示した。 次に本手法を異なる二つのタンパク質同士の相互作用の検出に応用できるかを検証するために、小分子AP21967依存的な相互作用を示すFKBPとFRB変異体を用いてキメラ受容体を構築した。また同種のタンパク質同士の相互作用を検出することを避ける目的で、キメラ受容体の一方のc-kit細胞内ドメインにシグナル伝達分子の結合を阻害する変異を加えた。これらのキメラ受容体をBa/F3細胞に発現させてAP21967を加えたところ、異なる二つのタンパク質間の相互作用を検出することができた。 以上より、本研究では生きた細胞内で同種あるいは異種タンパク質間相互作用を細胞増殖を指標として検出することに成功した。
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Research Products
(20 results)