2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23656526
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 浩 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (00226250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古澤 力 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (00372631)
平沢 敬 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (20407125)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 微細藻類 / DNAマイクロアレイ / 光合成 / 代謝反応モデル / 強光条件 |
Research Abstract |
本研究では、微細藻類、Synechocystis sp. PCC6803を用いる。光強度を人為的に制御することのできる光バイオリアクタを用い、光強度の上昇に伴う二酸化炭素吸収速度、増殖速度を測定できる実験系を構築することを目的とした。光強度に対して増殖速度が、比例的に上昇する培養フェーズ、飽和するフェーズ、減少するフェーズを同定し、それぞれのフェーズで光強度に対応して発現量が変換する遺伝子、発現量が変化しない遺伝子、発現量が減少する遺伝子をDNAマイクロアレイにより網羅的に解析する。これらの結果より、光阻害を引き起こすメカニズムと細胞の適応に関与する遺伝子を抽出し、将来、二酸化炭素吸収能力、増殖能力を飛躍的に上昇させる細胞工場の創製への可能性を探る。 平成23年度は、炭酸塩を炭素源として光条件を変化させて培養を実施した。光条件を変化させた場合の光強度が増殖に与える影響を解析した。また、Synechocystis sp. PCC6803のゲノム情報からAgilent Technologies社製のカスタムDNAマイクロアレイを設計しSynehcocystis sp. PCC6803の細胞からmRNAを抽出しDNAマイクロアレイ解析を行うための条件検討を行った。さらに、ゲノムスケールにおける代謝モデルを用いて光取り込み速度をパラメータとして変化させた場合に、二酸化炭素吸収速度、増殖速度がどのように変化するのか、細胞内代謝フラックス状態はどのように変化するかについて、シミュレーションを行い、モデル上での挙動を把握することに成功した。今後は、実験とシミュレーションの差異を抽出し、強光条件が細胞に与える影響について遺伝子発現と代謝の側面から明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画にあった光強度を変化させる条件の検討、DNAマイクロアレイによる遺伝子発現解析、ゲノムスケール代謝予測モデルによるシミュレーションとの対応について着手しており、計画は順当に進展している、と判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度は光の強すぎる条件と、そうでない状態の遺伝子発現をDNAマイクロアレイにより、比較解析し、どのような遺伝子に影響が表れているかを明らかにする。シミュレーションで得られた結果と統合し、光合成による微細藻類の増殖と光の強さに関する理解を深めるとともに、強い光に比例して増殖速度、二酸化炭素吸収速度を上昇させる遺伝子操作の足がかりをつかむ。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めてていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更は無く、前年度の研究費も含め当初予定通りの計画を進めていく。
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