2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656526
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 浩 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (00226250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古澤 力 大阪大学, 情報科学研究科, 招へい教授 (00372631)
平沢 敬 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (20407125)
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Keywords | 微細藻類 / DNAマイクロアレイ / 光合成 / 代謝反応モデル / 強光条件 |
Research Abstract |
本研究では、微細藻類、Synechocystis sp. PCC6803を用いて光強度と増殖の関係を調査し、強度の大きい光に対して耐性を示し増殖能、物質生産能の高い株を育種するための戦略を探ることを目的とした。この目的を達成するため、光強度を人為的に制御することのできる光バイオリアクタを用い、光強度の上昇に伴う二酸化炭素吸収速度、増殖速度を測定できる実験系を構築した。光強度に対して増殖速度が、比例的に上昇する培養フェーズ、飽和するフェーズ、減少するフェーズを同定し、それぞれのフェーズで光強度に対応して発現量が変換する遺伝子、発現量が変化しない遺伝子、発現量が減少する遺伝子をDNAマイクロアレイにより網羅的に解析することを考えた。これらの結果より、光阻害を引き起こすメカニズムと細胞の適応に関与する遺伝子を抽出し、将来、二酸化炭素吸収能力、増殖能力を飛躍的に上昇させる細胞工場の創製への可能性を探ることができると考えた。 平成24年度は、二酸化炭素を炭素源として光条件を種々変化させて培養を実施した。光の強さを人為的に変化させた場合の光強度が増殖に与える影響を解析した。光強度に対して増殖速度が、比例的に上昇する培養フェーズ、飽和するフェーズ、減少するフェーズが存在することが明らかとなり、光強度に対する細胞活性の影響を、比増殖速度というパラメタータにより始めて定量的に示すことに成功した。また、平成23年度に設計したSynechocystis sp. PCC6803カスタムDNAマイクロアレイにより、それぞれのフェーズのDNAマイクロアレイ解析を行い、遺伝子の発現量の網羅的データを取得した。今後、これらの結果を深く解析することで、強い光にも高い増殖能を持つSynechocystis sp. PCC6803株を創製する方法が開発されることが期待される。
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Research Products
(8 results)