2012 Fiscal Year Annual Research Report
ピコリットル空間でのATP増幅反応と微生物計測への応用
Project/Area Number |
23656529
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒田 章夫 広島大学, 先端物質科学研究科, 教授 (50205241)
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Keywords | ルシフェラーゼ / 迅速計測 / 微生物 / ATP / ATP増幅反応 |
Research Abstract |
本研究では、キャピラリープレート上の多数分割されたピコリットル空間に最大1個体ずつ微生物を分配し、ATP増幅後に発光した空間の数を数えることによって、個体数を迅速に計測することを目指した。まず、ATP増幅しない条件下で、ピコリットル空間において発光検出するにはどの程度のATP濃度が必要なのか検討を行ない、次にATP増幅を用いることで微生物1個体を発光で検出できる可能性について考察した。キャピラリープレートのピコリットル空間(直径10μm)の中のATPを検出するには、ルシフェラーゼをその空間内に固定化しておく必要がある。そこで、ピコリットル空間に分配できるサイズのビーズ(直径2.8μm)にルシフェラーゼを固定化し、そのビーズがATPにより発光するのを顕微鏡下で検出を行なった。具体的には、ストレプトアビジンが固定化されている直径2.8μmのビーズに、ビオチン化したルシフェラーゼを混合して、ルシフェラーゼ固定化ビーズを作製した。次にルシフェラーゼ固定化ビーズに対して、4.13mM ATPと5mMルシフェリンを添加し、顕微鏡で一分間露光した画像を取得し補正を行なったところ、ビーズが発光している様子が観察された。 次に、ピコリットル空間に大腸菌1個体が分配されたと仮定し、その空間内のATP濃度を計算し、ATP増幅技術を用いれば発光検出が可能であるか検討した。大腸菌1細胞あたりのATP量は2amolと見積もられており、キャピラリープレートの31.4plのピコリットル空間(直径10μm、高さ400μm)の中で破砕されてATPが均一に拡散した場合、理論上のATP濃度は63.7nMとなる。結論的には、現状のATP増幅技術を向上させること、さらにルシフェラーゼを15倍高感度であるルシフェラーゼFMに変えれば、ピコリットル空間での大腸菌1細胞を発光で検出することは可能となることが分かった。
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Research Products
(3 results)