2012 Fiscal Year Research-status Report
低地球軌道インフレータブル構造用材料のための耐原子状酸素性付与技術に関する研究
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23656541
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩田 稔 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80396762)
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Keywords | 宇宙用材料 / 原子状酸素 / インフレータブル |
Research Abstract |
本研究ではモノシランガスを利用して高分子材料の改質を行い、低地球軌道インフレータブル構造用巨大展開膜を創出する事を狙ったものである。有害なモノシランガスを利用可能な除外設備つき試験装置を構築して表面改質を行う予定であったが、除外設備の導入に際して議論を重ねてきた設備業者、大学安全衛生推進室、および福岡県庁担当者の3者間で、その安全性確保に関する認識が大きく食い違っており、当初予定していた除外設備および緊急除害設備の導入を断念せざるを得ない状況に陥った。 今年度は解決策を見出すべく、幅広く関係各所と議論を重ねた結果、法的に除外設備の必要のない、モノシランガスに代わるプロセスガスを見出すことができた。当該ガスを用いた試験設備について関係各所と議論を重ね、実験する上で安全衛生上問題がなく、また法的にも問題がない事を確認できたため、プロセスガスラインを構築し、本研究で使用するプラズマCVD装置に接続することができた。現在、設備の最終的な設置作業と動作確認作業を進めており、問題がなければ試験実施可能な体制が整う事になる。 プロセスガスを用いて改質する高分子材料については現在、ポリイミドフィルムを数種類、材料メーカーから供給を受けており、膜厚および分子構造の異なる各種ポリイミドフィルムを改質に用いることとする。これと合わせて、申請者らが合成・製膜した新規熱可塑性ポリイミドを用い、本研究で提案する材料改質方法の可能性実証試験を実施してゆく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プロセスガスとしてモノシランガスを用いることは、現在の国内の大学の安全衛生管理体制からすると、実質上不可能であった。このため試験設備の整備が大幅に遅れてしまったが、代わりとなるプロセスガスを見出すことができた為、遅れを少し取り戻す事が出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
代替えプロセスガスにより実験が可能となったので、材料改質実験を実施する。また遅れを取り戻す為に高濃度のプロセスガスに曝露する実験の実施可能性についても検討し、順次実施する事とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用するプロセスガスは高価であるため、平成24年度の消耗品などの経費を節約し、次年度の消耗品に充当するよう配慮した。このため平成24年度未使用額が発生した。 モノシランガスほどではないが、本研究で使用するプロセスガスはそれなりに高価である。このため、プロセスガスの購入を中心に、研究費を使用することとする。
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