2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656548
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
和田 大志 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (60359700)
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Keywords | 船舶海洋工学 / 材料・構造力学 / インテリジェント構造 / 機能性材料 / 総合工学 |
Research Abstract |
本研究においては、以下の5つの個別技術を提案し、形状記憶合金、圧電素子、熱電素子、光ファイバーを用いて開発を行った。これら船舶インテリジェント構造は、これまで過去、日本にも世界にもなかった、新しい着想である。(1)「FRPヘルスモニタリング」船体外板等に用いるグラスファイバー複合材(GFRP) やカーボンファイバー複合材(CFRP)の剥離や内部破損を常時モニタリングし、埋め込んだ光ファイバー信号と、貼り付けた圧電型ICパッチ無線出力により、肉眼で発見できない破壊をコンピュータが常時、監視するシステムを開発した。(2)「エンジン排熱の電気エネルギー化」熱電素子(ペルチェ素子)によって、エンジン排熱を回収し、熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、エネルギーの再利用を行った。(3)「振動の電気エネルギー化」圧電素子(ピエゾ素子)によって、エンジンやスクリュープロペラによる振動を電気エネルギーへ変換すると共に、素子によって振動を能動的に抑制した(エネルギー回生)。(4)「船首等の形状変化」熱で作動する形状記憶合金で製作した球状船首部分(やその他の部位)を喫水等に応じて形状変化させ、喫水等によらず、造波抵抗などを、常時、最小限に抑えた。(5)「プロペラの形状変化」形状記憶合金を用いて、例えば、可変ピッチプロペラの構造簡素化によるボス部分の小型化や、翼型の形状変化による推力向上などを行った。これら5種類のインテリジェント構造に関し、模型レベルや実験室レベルで開発した結果、将来、これらの技術を端緒とし、船舶の各部位が自動的に最適変化を行い、船舶全体をインテリジェント構造化することを目指すための先駆け的な研究成果を上げた。
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