2012 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導センサーを用いた舶用液体水素タンク内部の3D液面揺動計測
Project/Area Number |
23656550
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
武田 実 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 教授 (50206992)
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Keywords | 水素 / 超伝導材料・素子 / スロッシング / 水素液面 / 3D計測 |
Research Abstract |
極低温液体水素(沸点20 K)を海上輸送するための基盤技術の開発を目指し、超伝導MgB2(二ホウ化マグネシウム)線材をベースとした液面センサーを用いて、液体水素の液面揺動(スロッシング)に関する研究を行った。以下に、最終年度に実施した研究の主な成果を示す。 1. 小型容器を対象としたスロッシング計測:長さ200 mmの液面センサーを作製し、これを用いて横振動に対するスロッシングの時間発展を調べた。この実験結果とシミュレーション解析結果を比較したところ、両者は定性的に一致した。 2. 大型容器を対象としたスロッシング計測:長さ1500 mm の液面センサーを作製し、これを大型容器(2000 L)内部へ設置した。この容器をトラックに積載して、低速走行しながら液面・温度・圧力の同時計測を行ったところ、平均振動周期が2 sの大きなスロッシングを観測した。液面・温度・圧力の時間発展は、シミュレーション解析結果と定性的に一致した。 2年間の研究を通じて、1000 mmを超える液体水素用超伝導MgB2液面センサー作製のノウハウを確立するとともに、液面センサーの静的および動的液面検知特性が秀逸であることを明らかにした。また、小型容器および大型容器を対象として、超伝導MgB2液面センサーによる液体水素のスロッシング計測に成功した。さらに、液面・温度・圧力の同時計測およびシミュレーション解析にも成功した。以上より、超伝導液面センサーによる3Dスロッシング計測の新しい手法の開発に目処が立った。これにより、舶用液体水素タンク内部のスロッシング状態を解明するとともに、舶用大型液体水素タンクの開発が可能となる。
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