2012 Fiscal Year Research-status Report
ひずみ計測をもとにした外力、構造応答の逆解析に関する研究
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23656551
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉川 孝男 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50380572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 正広 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70173713)
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Keywords | 逆解析 / 衝撃荷重 / 構造応答 / 減衰比 |
Research Abstract |
船舶の強度設計においては、荷重評価、構造応答解析、強度評価が重要な要素である。このうち荷重の推定に関しては、例えば、荷役時にバケットが内底板に衝突する際の荷重や、青浪の甲板への打ち込みやスラミングやスロッシングなどによる衝撃荷重などは、その大きさ、作用時間、頻度などが十分な精度で評価できているとは言い難い。これらの荷重を評価するために衝突解析や流体構造連成解析などの数値計算が用いられることがあるが、今なお、解析手法も含めて多くの研究課題があるのが現状である。そこで本研究では、衝撃的な荷重を数値計算によって直接に求めるのではなく、ひずみや加速度などの計測値から逆解析して求め、求めた荷重を用いて構造応答を評価し、強度評価につなげる手法の構築を試みている。 今年度は、昨年度構築した「衝撃荷重を受けた構造のひずみの時刻歴計測結果から、衝撃荷重の作用位置、力積、作用時間などを逆解析する手法」について、小型の試験体を用いて実験を行い、試験結果と比較することによりその精度検証を行った。また、ひずみの時刻歴計測結果には、減衰の影響が大きく出るが、振動モード毎の減衰比の大きさを、ひずみ計測結果から算出する方法についても考案した。算定した振動モード毎の減衰比を用いることにより、ひずみ応答値についても精度よく推定できることを確認した。なお、来年度はより複雑な構造モデル(補強材付きの箱形断面梁)について、実験を行い、構築した逆解析手法についてさらなる検証を行う予定である。また、静的な荷重についても、集中荷重に対する逆解析手法はすでに構築済みであり、分布荷重、ならびに移動衝撃荷重の逆解析手法についても引き続き検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
衝撃荷重の逆解析手法については、その手法を構築するとともに、小型実験体を用いた試験により検証を行い、その推定精度が実洋上十番な精度を有することを既に確認している。 静的な荷重についても、集中荷重に対する逆解析手法はすでに構築済みであり、分布荷重についても、必要なひずみの計測点数は多くなるものの、推定可能であると見通しを得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)複雑な構造モデル(補強材付きの箱形断面梁)を用いた試験を行い、構築した逆解析手法のさらなる検証を行う。 2)波浪荷重に対する船体応答など准静的な荷重の推定に関しては、ひずみの計測結果から、船体の縦曲げ荷重成分を推定し、さらに加速度とひずみの計測結果を用いて船体運動を生じさせる荷重成分を分離する方法について検討を行ってゆく。。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)