2011 Fiscal Year Research-status Report
マルチカラム型波力発電浮体システムの開発に関する研究
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23656553
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安澤 幸隆 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10191123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 芳孝 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90253492)
前田 正広 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70173713)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 波力発電 / 海洋エネルギー / 振動水柱型 / 波エネルギー / 領域分割法 / 一次変換効率 / マルチカラム型浮体 / OWC |
Research Abstract |
地球温暖化対策や従来の化石燃料や原子力燃料の枯渇および原発事故によって、海洋再生可能エネルギーの利用が注目されている。われわれは、日本における波力発電の早期実用化を目指して、新型の波力発電浮体システムの開発研究を行なっている。波のパワーが大きい沖合に設置する波力発電システムを考え、実績のあるOWC(振動水柱)ユニットを採用し、さらに耐波性を考慮して、複数の円筒型OWCカラムおよび浮力用カラムが、広いデッキ下に複数連結されたマルチカラム式の波力発電浮体システムを研究することとした。まず、固定された鉛直円筒型OWCカラム単体の規則波中応答特性を実験及び数値解析により調べた。実験では、直径および喫水の異なるOWCカラムを複数製作し、種々の波長の規則波に対する応答すなわち、空気室内圧力、OWC内水位変動、一次変換効率などを調べた。数値解析では、固有関数展開法を用いた領域分割法により、流体(波)と空気室の連成問題を求める周波数応答解析プログラムを作成し計算を行った。計算結果と実験結果は良い一致を示したので、数値解析のみで固定された円筒型OWC単体のエネルギー一次変換性能をほぼ評価することができるようになった。また、我々が開発中の波力発電浮体は、浮力カラムおよびOWCカラムが複数並んでいるのでそれらの相互干渉影響を考慮する必要がある。そこで、2個の固定された円筒型OWCが波の進行方向に直列に並んでいる場合の応答特性について実験を行い、調べた。この結果は平成24年度に数値解析プログラムを開発して計算結果と比較検討する予定である。また、これまで、実験および解析において、タービン部をノズルで置き換えて一次変換性能を評価してきたが、実際には発電用タービンが設置されるので、ウェールズタービンを装着した小型発電機を設計製作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発電性能実験については、予定よりやや遅れているが、数値解析によるエネルギー変換性能評価プログラムの開発に関しては、やや予定より進んでいるので、全体としてはほぼ順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、製作したウェールズタービン付きの発電ユニットの発電性能について、単体で発電性能すなわち2次エネルギー変換効率を調査してその特性を把握する。さらに、それを円筒形OWCに装着して水槽実験を行い、総合エネルギー変換効率を評価し、さまざまな条件におけるエネルギー変換効率を推定できるようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.製作したウェールズタービン付きの発電ユニットの発電性能について、単体で発電性能すなわち2次エネルギー変換効率を調査するための装置を製作する。2.発電用モーター、タービン部、タービン回転数計測用センサーなどの追加購入3.研究成果の発表4.全体システムの波浪中性能試験に用いるマルチカラム型浮体模型の製作費5.実験補助の人件費
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Research Products
(4 results)