2013 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄プラスチックの熱分解性に優れる植物油とリサイクル技術の研究開発
Project/Area Number |
23656572
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
佐野 慶一郎 関東学院大学, 人間環境学部, 教授 (30372105)
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Keywords | リサイクル / 廃棄プラスチック / 不飽和ポリエステル / FRP / 植物油 / 熱分解 / 触媒 / 燃料 |
Research Abstract |
1.植物油に適した触媒の研究開発 さらなる廃棄プラスチックの不飽和ポリエステル(UP樹脂)の分解性の向上(分解速度の上昇、或いは加熱温度の低減)を図るため、まず菜種油に適合する触媒とその添加方法を研究開発した。触媒として水酸化ナトリウム(NaOH)や水酸化カリウム(KOH)など合計6種類のアルカリ金属塩を重量比で0.38%添加した植物油中で、UP樹脂の加熱実験を行った。UP樹脂の分解性が最も向上する触媒は、KOHであった。UPの分解速度は、触媒なしで1.6wt%/minであったのに対し、KOHの添加により2.2wt%/minに向上した。菜種油への最適な触媒の添加量を確認した。触媒添加量の増加に伴い分解速度は、著しく上昇した。KOH1.0wt%の添加により、UP樹脂の分解速度は、3.6wt%/minまで向上した。なお、触媒は不純物として、UP樹脂の分解油中に残存するので、できる限り少量の添加が望ましい。 2. 廃棄プラスチック分解物のリサイクル技術の研究開発 (1) 化学分析によりUP分解油の組成を確認した。プラスチック分解性に優れる触媒を用いてUP樹脂を熱分解した油化物のFTIR分析を行った。分析データから触媒の有無におけるUP分解物の化学組成の大きな差異を確認できなかった。 (2) 分析結果を基にUP分解物のリサイクル技術を考案し、実験を行った。UP分解油からディーゼル燃料油(メチルエステル化)の製造を行った。なお、今後、この燃料油を用いたディーゼル内燃機関の稼働実験を行う予定にある。UP樹脂の分解反応中の揮発物質を冷却して、フタルの化学原料を分離回収する実験を行った。UP分解速度の上昇に伴い、フタル酸の回収速度も上昇した。
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