2012 Fiscal Year Research-status Report
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23656583
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松山 成男 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70219525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 慶造 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00134065)
山崎 浩道 東北大学, サイクロトロンRIセンター, 教授 (00166654)
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Keywords | ミクロンCT / 細胞照射 / ビーム強度 |
Research Abstract |
本研究で用いているマイクロビームシステムは1マイクロメータの分解能を達成していたが、本研究を実施する上では強度が十分ではなく、ビーム径を数ミクロンに拡大することにより必要なビーム強度を得ていた。また、本研究を実現するには、細胞照射の観点から考えるとビーム径は1マイクロメータ以下にする必要がある。そのため、本計画を達成するためには、まず、マイクロビームの高強度化とビーム径の縮小化が必要であった。そこで本研究では、ビーム強度を下げることなくビーム径の縮小化を図るために、マイクロビームシステムの縮小率の向上を図った。その結果、縮小率は10倍以上向上したものの、色収差の影響と球面収差の影響が非常に大きいことが分かった。球面収差の影響の低減のためには、四重極レンズに入射するビーム径を小さくすることが必要であるが、それは同時にビーム量が低下する。そのため、縮小率向上により増大したビーム強度が損なわれてしまう。これについては、縮小率向上によるビーム強度の増大を最大にすること、球面収差低減のためのビーム量の減少を最小にするための最適化が必要となってくる。現在、実験と計算シミュレーションにより最適化を図っている。同時に色収差の影響を低減するために、加速器の電圧安定度の向上を図った。発振回路の最適化と共に、回路のノイズ低減を図り、発振成分としては200Vpp、低周波成分としては半値幅で150V程度と大幅に低減した。まだ、最適化の途中であるが、ここまで改良したシステムを使用し、細胞のイメージングを行い、細胞を明瞭にとらえることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミクロンCTシステムの高度化と、マイクロビームシステムの高性能化はほぼ終了しており、全体的なシステムは最終調整段階である。3次元照射技術の開発を今年度行う。これについては基礎技術をすでに持っているため、大きな障害はないと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
3次元照射技術の開発では、二次元の照射技術はすでに実現している。ビーム軸方向に対しては、イオンビームのエネルギーを変化させ、ブラッグピークを照射位置に併せることによても実現可能である。エネルギーを変えることによる深度制御は、加速器、ビーム輸送系、四重極レンズのパラメータを変える必要があるため、ビームの再調整が必要となるが、エネルギーと磁場強度を10-5程度の精度で決定すれば計算によりビームの再調整が可能となる。これについてはGVMとホールプローブにより測定し、ソフトウエアの開発を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したのに伴い生じた未使用額であり、平成25年度請求額とあわせて平成25年度の研究遂行に使用する予定である。 すでに主要な装置の購入はすませており、開発した装置を使用した実験が主になる。次年度使用額は、これらの装置の調整のための電子部品、真空部品の購入と加速器を運転するのに必要な加速器消耗品にあてる。
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