2011 Fiscal Year Research-status Report
置換クロマトグラフィを用いたアクチニド元素の分離に関する研究
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23656587
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
澤田 佳代 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (90372531)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | クロマトグラフィ / 分離 / HDEHP / キレート剤 |
Research Abstract |
本研究は,使用済燃料の再処理から発生する高レベル放射性廃液中に含まれるアメリシウム,ネプチニウムなどのアクチニド元素の置換クロマトグラフィ法を用いた分離回収ための原理実証を行うことを目的としている.酸性抽出剤であるジ(2-エチルヘキシル)リン酸(HDEHP)を含浸担持した担持体を充填材として用い,カラム内に形成した吸着体を分画することで有用元素の分離を行う.なお,本研究では,有機酸やキレート剤を併用し,あらかじめ,分離対象溶液にこれらの溶液を添加することで,効率的に分離する技術の開発を試みる.初年度となる平成23年度は以下の2項目について検討を行った.1. 分配比データの取得抽出剤となるHDEHPと各元素の分配比データを種々のpH毎にビーカー規模のバッチ試験によって取得した.1 mol dm-3のドデカン希釈のHDEHP溶液を用いて、3種のランタニド元素(Nd, Eu, Ce)を含む水溶液(ランタニド濃度0.0015~0.15 mol dm-3)からのランタニド元素の抽出を行った。分配比は文献値とほぼ近い値となり、ランタニド濃度0.15 mol dm-3の水溶液を用いた場合の分配比は1桁の値となった。2. 平衡計算によるpH緩衝剤の選定ならびに条件選定1.の検討よりランタニド元素の分配比はpHの増加に伴って増加するが、その傾向については元素毎に大きな差は無いことが推察された。このため、本研究では既存の研究(TALSPEAK法)で用いられており、分配比が高くなるpHを維持することが可能となる乳酸をpH緩衝剤として選定することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りであるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度選定した実験条件で置換クロマト分離実験を行う.HDEHPを含浸担持した担体をステンレス鋼製カラムに充填し,ランタニド元素の混合硝酸溶液を調整して作製した出発溶液を導入する.カラム内に形成した吸着帯を硝酸溶液で押し出す.カラム出口の流出液をフラクションコレクタで分画し,分画溶液中の元素濃度の分析をICP発光分光分析装置を用いて行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定通り、実験に必要な消耗品や旅費等に使用する予定である。
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