2012 Fiscal Year Annual Research Report
メカノケミカル処理とドライゲルコンバージョンを併用した放射性ヨウ素の人工鉱物化
Project/Area Number |
23656588
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平林 大介 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00402397)
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Keywords | 放射性ヨウ素 / 銀系ゼオライト吸着材 / ソーダライト固化 / メカノケミカル法 / 遊星ボールミル / 水熱合成 / 浸出試験 |
Research Abstract |
原子力発電所で発生する使用済み燃料の再処理工場で発生するヨウ素129を地層処分する前に確実に固定化するため,放射性ヨウ素を固定した使用済み銀系吸着材について合成ソーダライトに転換する新開発する研究期間を通じて実施し、(1)模擬サンプルの作製、(2)処理過程の影響確認、(3)メカノケミカル処理条件,(4)ソーダライトからのヨウ素浸出試験の4点を検討した。最終年度ではソーダライトの生成条件を処理パラメータの観点で検討した. はじめに、(1)ヨウ化銀とゼオライトの混合物からなる模擬サンプルを作製した.作製試料の固体評価の結果,遊星ボールミル処理は,単なるサブミクロンレベルの粒径変化に寄与するだけではなく,結晶ひずみを発生させながらナノレベルの微粒化すなわち非晶化に寄与すること,(2)得られた非晶質体を水熱変化させると,X線回折波形には目的となるソーダライト結晶の明確なピークと副生物としてのアナルサイムの結晶ピークが確認された。このうちソーダライトの格子定数は,ヨウ素を含むヨウ素型ソーダライトの理論値よりやや小さく,水酸化物イオンを含む水酸化物型のものよりも大きい値であること,結晶相は両者の固溶相を形成していることを確認した。形成した粒子を電子顕微鏡とEDXによる観察を行った結果,ソーダライトとアナルサイムの二種のゼオライト粒子に対応する粒子が確認され,ヨウ素はソーダライト上に均一分散していることが確認された。浸出試験の結果については,本来,ヨウ化銀が可溶となるチオ硫酸ナトリウム共存条件でも,粉体からのヨウ素の浸出量を10-5mol/dm3オーダの微量に留めることが出来る知見を得た。生成条件評価にあたり,遊星ボールミルの公転速度650rpmでは,水熱合成後にソーダライト結晶の生成が認められるが,320rpmの低速ではヨウ化銀の結晶が残留することがわかった.
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