2011 Fiscal Year Research-status Report
改良型超高速MRIを用いたMHDプラズマ流の速度分布計測システム
Project/Area Number |
23656597
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
沖中 憲之 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20250483)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | エネルギー全般 / 計測工学 / MRI / MHDプラズマ / 高温ガス |
Research Abstract |
MHDプラズマ流を時・空間的に精度良く計測することは,電磁流体力学の基本のみならず,MHD装置の開発や性能評価に重要である。しかし,従来の計測法ではプラズマの速度場を正確に測定できない。また,磁気共鳴映像法(MRI)は,流れの可視化手法の一種であるが,速度場の直接計測も可能な流体計測法でもある。そこで,報告者は現状で実現可能で最も高速なMRIである,EPI(Echo Planar Imaging)法の傾斜磁場印加パルス系列を改良し,超高速測定を可能とした改良型EPI法を提案している。本研究では,EPI法の傾斜磁場印加パルス系列の改良による高速化,最大エントロピー手法による高精度化を行った改良型EPI法を用いたMHDプラズマ流の速度分布の測定について,数値的シミュレーションによって検討する。本年度(23年度)は,1.改良型EPI法用印加パルス系列の決定:計算機を使用し,現有の改良型EPI法用印加傾斜磁場解析プログラムを実行して,試作するMHDプラズマ流速分布測定システムに最適な,高速測定用傾斜磁場(設備備品として申請予定の傾斜磁場用コイルに印加する電流の時間変化:印加パルス系列)を決定する。2.最大エントロピー法によるデータ解析の高精度化:実際に測定データとして得られる磁気共鳴信号(MR信号)から速度分布を再構成する現有のMR信号-速度分布データ変換プログラムを,最大エントロピー手法の概念を付加した高精度データ変換プログラムに変更する。3.MHDプラズマ流シミュレーションプログラムの開発:大型計算機を使用し,現有のMHDプラズマ流解析プログラムを改良し,上記1.の印加傾斜磁場の影響をも含んだ,MHDプラズマ流の速度場の挙動がシミュレーションできるプログラムを開発する。を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度(23年度)の達成目標である,1.改良型EPI法用印加パルス系列の決定(印加パルス系列の改良による測定の高速化):計算機を使用し,現有の改良型EPI法用印加傾斜磁場解析プログラムを実行して,試作するMHDプラズマ流速分布測定システムに最適な,高速測定用傾斜磁場(設備備品として申請予定の傾斜磁場用コイルに印加する電流の時間変化:印加パルス系列)の決定,2.最大エントロピー法によるデータ解析の高精度化:実際に測定データとして得られる磁気共鳴信号(MR信号)から速度分布を再構成する現有のMR信号-速度分布データ変換プログラムを,最大エントロピー手法の概念を付加した高精度データ変換プログラムに変更,3.MHDプラズマ流シミュレーションプログラムの開発:大型計算機を使用し,現有のMHDプラズマ流解析プログラムを改良し,上記1.の印加傾斜磁場の影響をも含んだ,MHDプラズマ流の速度場の挙動がシミュレーションできるプログラムの開発,の全てを達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(24年度)の開発目標は1.MHDプラズマ流の速度分布情報-MR信号の変換プログラムの開発:23年度開発のシミュレーションプログラムで得られる既知のMHDプラズマの速度分布(速度ファントムデータ)から改良型EPI法を用いて測定されるであろうMR信号を求める速度分布データ-MR信号の変換プログラムを開発する。2.MHDプラズマ流の速度・温度分布同時計測システムの試作:MHDプラズマ発生装置,EPI法による流速分布測定システムに対して,23年度に決定した高速測定用傾斜磁場と23年度開発の高精度データ変換プログラムを内蔵した計算機を付加して,改良型EPI法を用いたMHDプラズマ流の速度分布計測システムシミュレーションプログラムを作成する。3.研究成果の発表:それぞれの段階での研究内容を適宜まとめ,海外及び国内の会議,研究会において積極的に成果の発表を行い,他の研究者からの助言,批判を受ける。を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度(23年度),海外調査(国際会議での意見聴取)を予定していたが,本務(AO入試業務)との重複のため,予定の国際会議に参加できず実施を断念した。それにより,未使用額が発生した。次年度(24年度)は,23年度より繰り越した予算を,上述の(23年度に実施できなかった)海外調査の旅費に充てる。また,それぞれの数値解析に予想以上の計算機能力が必要なため,追加のワークステーション・解析用ソフト(ライセンス)と増設メモリの購入を物品費として計上する。成果発表の旅費,解析協力者への謝金,論文校閲・印刷料は当初申請の額に準じて計上する。
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