2013 Fiscal Year Annual Research Report
燃料ガス産生微生物資源の高効率スクリーニング法の開発
Project/Area Number |
23656607
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
上田 岳彦 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (80293893)
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Keywords | マイクロ培養器 / スクリーニング / 燃料ガス / プレーティング / 微生物 / マイクロ流路 / 育種 / コンビナトリアル |
Research Abstract |
鹿児島県周辺の火山性土壌、温泉水、貧栄養土壌からの試料から水素産生微生物の単離を試み、16S rRNA遺伝子配列解析により同定を試みました。燃料ガスを産生する微生物の多くが、極端な極限環境や低炭素源環境において発見され易い傾向にあることは、これらの微生物が、増殖力の強い一般的な微生物との競争がない過酷な環境で、しかも特殊な代謝系を発達させることにより初めて今日まで生存できたものと考えられます。 鹿児島県霧島火山域の硫化水素泉や火山灰堆積土壌、与論島湖沼泥などから試料採取を試み、数百種のマイクロ培養器の浮上を、またそのうち十数種のガス産生微生物を単離し、遺伝子配列解析から新規微生物であることを確認しました。これらが水素産生していることは、強い酸化剤と接触させることによりマイクロ培養器が気泡を失って沈降することにより判別できました。また、16S rRNA遺伝子配列解析による同定が困難な試料も多数ありましたが、複数微生物の共存によりガス産生に至ったものが大多数を占めたことから、本方法が単一の微生物を単離する方法であるのみならず、適切な組み合わせの微生物共生系をそのまま見出すことのできる新しい方法であることが判明しました。試験的に既存の嫌気性微生物と好気性微生物を共存させて得られたマイクロ培養器の中にそれらが共存していることを電子顕微鏡で観察して確認できました。これらの成果は、本方法が優れた代謝活性を持つ微生物の共存系をコンビナトリアルなアプローチで見出すことのできる方法であることを証明したものと言えます。 本研究は、当初目標の微生物コンタミネーションの排除、目的微生物を含むマイクロ培養器の分離装置の試作、環境微生物に対する浮上微生物の単離などを達成できました。産生した水素ガスの検出については感度のさらなる向上が必要であることがわかり、次の開発への具体的な方向性が確立しました。
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Research Products
(1 results)