2013 Fiscal Year Annual Research Report
セミインタクト細胞リシール法を駆使した糖尿病態のエピジェネティクス変化可視化解析
Project/Area Number |
23657001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加納 ふみ 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (10361594)
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Keywords | セミインタクト細胞リシール法 / エピジェネティクス / 糖尿病 |
Research Abstract |
本申請研究では、形質膜可逆的穿孔法「セミインタクト細胞リシール法」を用いて、糖尿病モデルマウス組織から調製した細胞質を導入した「糖尿病モデル細胞」を作製し、その核内で生起する遺伝子発現変動やエピジェネティクス改変の検出およびその制御攪乱機構の解明を目的とする。これまでにメチル化DNA結合タンパク質MeCP2のGFP融合タンパク質(MeCP2-GFP)の動態解析から糖尿病モデル細胞ではMeCP2-GFPが核内で分散することを見いだしている。このことから糖尿病モデル細胞でゲノムDNAメチル化状態が異なる可能性があることが予想された。実際エピジェネティクス改変関連因子であるDNAメチル化酵素Dnmt1のタンパク質発現量は細胞質導入後9時間まで減少しその後再び増加すること、かつ糖尿病モデル肝細胞では減少程度が正常モデル細胞に比べ少ないことを見いだしている。そこで糖尿病モデル肝細胞を用いてマイクロアレイによる遺伝子発現変動解析を行い、発現が糖尿病肝臓細胞質依存的に変化する遺伝子を抽出した。その結果、細胞質導入1、6、12、24時間後で、正常モデル肝細胞と比較して糖尿病モデル肝細胞で発現上昇する遺伝子群5、74、87、16種類、発現減少する遺伝子群7、5、11、4種類を同定できた。そのうちの1つの遺伝子ゲノムに対してバイサルファイト法によりDNAメチル化状態を検証したが、正常と糖尿病との差はなく、むしろリシール処理により全体的に脱メチル化が若干亢進されることを見いだしている。今後はその他の遺伝子ゲノムの糖尿病モデル肝細胞およびマウス組織でのDNAメチル化状態の検証を進めることとし、本研究では糖尿病態とエピジェネティクス改変をつなぐ因子探索法のプロトタイプを構築することができた。
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[Journal Article] PPARγ-induced PARylation promotes local DNA demethylation by production of 5-hydroxymethylcytosine.2013
Author(s)
Fujiki, K., Shinoda, A., Kano, F., Sato, R., Shirahige, K., Murata, M
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 4
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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