2012 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリオファージの宿主域は正しく評価できているのか?:新規宿主域評価法の開発
Project/Area Number |
23657025
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
井町 寛之 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, 主任研究員 (20361933)
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Keywords | ファージ / 宿主域 / 16S rRNA遺伝子 / FISH法 |
Research Abstract |
本研究課題では、従来の宿主域同定実験とは全く異なる、以下の4つのステップから構成される新規なファージの宿主域同定技術を開発することが目的である。1. 核酸染色剤で染めたファージを微生物叢に感染させ微生物を光らせる。2. FACS (fluorescence activat ed cell sorting) 技術により、ファージに感染した’光った’微生物細胞を特異的に回収する。3. 回収された微生物細胞からDNAを抽出し、16S rRNA遺伝子を決定することで、どのような種類の微生物がファージの感染を受けたのかを決定する。4. そのクロスチェックとして、回収されてきた微生物細胞の16S rRNAに特異的なDNAプローブをデザインし、先の1の核酸染色剤によるファージ標識技術 と微生物の16S rRNAを標的としたFISH法による2重染色により確認を行う。 本手法の開発にはT4ファージと大腸菌をモデルとして用いている。昨年度のステップ1を行うために、核酸染色剤およびEdUを用いた ファージの標識方法の検討を行った。その結果、EdUラベルを用いれば、ファージや宿主細胞から蛍光が漏れることなく特異的に宿主 細胞を染めて検出できることが明らかとなった。一方で、DAPIやSYBR Gold等の核酸染色剤を用いた場合は、非宿主細胞までも非特異的に染めてしまうことが明らかとなった。そこで、本年度はEdUラベルしたT4ファージを用いて、下水を対象として本手法の有効性を確認した。その結果、本手法がファージの新しい宿主域評価法として適用可能であることを明らかにした。本結果を論文としてまとめ、Applied Microbiology and Biotechnologyに受理された。
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Research Products
(1 results)