2011 Fiscal Year Research-status Report
シロイヌナズナ胚の簡単な培養系の確立と新規胚誘導因子の解析
Project/Area Number |
23657036
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高田 忍 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40456992)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 不定胚 / 表皮 |
Research Abstract |
平成23年度は、エストロゲン誘導性発現ベクター(pER8;Zuo et al,2000)を改変し、メリステモイド特異的なEPF1プロモーター(Hara et al, 2007)制御下でXVE人工転写因子が発現するベクターを作製した。同じベクターのXVE結合配列(pOlexA)の下流にLEC2遺伝子をクローニングし、エストロゲン依存的にメリステモイドでLEC2遺伝子を発現させるコンストラクトも完成した。このコンストラクトを植物に導入し、17の独立の形質転換体を得ることに成功した。現在T2種子を得ており、エストロゲンの添加で胚を誘導するラインの選抜が可能な状況になった。また、表皮のidentityを決める遺伝子の過剰発現により、根から不定胚が誘導されることが我々の研究によって分かっている。予備的なRT-PCR解析をおこなったところ、過剰発現体の根において、LEC2遺伝子の発現量が上昇することを示唆する結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベクターの作製に時間がかかったため、形質転換シロイヌナズナ植物体は作製できたが、良いラインの選抜まではおこなえなかった。しかしながら、次年度以降おこなう予定だった過剰発現植物の根の発現解析の方は研究が進み、LEC2の発現が上昇するという予備的な結果が得られている。したがって、総合的にみると、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は、LEC2の発現をメリステモイドで誘導する形質転換体から、不定胚を形成する系統をさがす。25年度以降は、他の植物への応用を目指す。また、24年度はATML1の過剰発現植物における発現解析実験をより定量的におこなうことを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
定量的な発現解析のためのreal-time PCR実験試薬、プラスティック消耗品を購入する。また、植物培養用の滅菌プラスティックシャーレ、培地を作製するための試薬を購入する。
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Research Products
(5 results)