2011 Fiscal Year Research-status Report
ヒストンコードを用いた植物ゲノムの網羅的発現プロファイリング手法の開発
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23657040
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
小保方 潤一 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (50185667)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ヒストンコード / ヌクレオソーム / 発現プロファイリング / 転写領域 / 植物ゲノム / プロモーター |
Research Abstract |
植物ゲノム上で転写領域をマッピングするには、これまで、転写物をシーケンスしてそれをゲノム上に貼り付ける方法が用いられてきた。本研究の目的は、この従来法に代わって、ゲノム上のヒストンに記されたDNA の発現状態・発現履歴の情報を利用し、従来の方法では検出の難しかった転写領域を包括的に解析する手法を確立し、それを用いた遺伝子の発現プロファイリング技術を開発することである。このためには、(i) 植物ゲノム上の転写領域、特に転写開始領域に特異的に出現するヒストンのバリアントや修飾の状況、(ii)それらの出現状況と転写領域の可塑性や発現量との関係、(iii) 転写領域の変動に対してクロマチンレベルと転写装置レベルの可塑性がそれぞれ与える影響の相対評価、などの情報が必要である。これらについて、本年度は以下の解析を行い、それぞれ新しい知見が得られた。(1)全ての解析の基盤となる情報を得る目的で、シロイナズナの高密度転写開始点マッピングを行った。(2)転写領域の変動に対して転写装置レベルでの可塑性・多様性が及ぼす影響を検討するため、基本転写因子であるTFIIFの変異体植物を用いて、転写開始点の高密度マッピングを行った。得られた情報は現在解析中であるが、転写開始複合体の多様性が植物の転写制御ネットワークの形成に関わっていること、その多様性が所謂alternativeな転写開始点の形成に関わっている可能性のあること等を示す知見が得られつつある一方で、転写領域自体が大きく変動しているケースはまだみつかっていない。(3)H2A.ZとH3K4me3の分布について、モデル遺伝子を用いて、転写状態と分布状況の変化との関係を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を進めるために必要な情報が確実に蓄積しており、次年度の研究の基礎が得られた。一方、植物のエピゲノム研究のすそ野が急速に広がっており、その影響で、植物クロマチンのChIP-seqに関する情報も次第に蓄積している。それらのパブリックな情報は、本研究を進める上でも非常に有用であり、そのような状況も、本研究の進展に有利に作用している。 ヒストンのChIP-seq作業にはまだ着手しておらず、その点ではやや遅れていると言えるが、上述した状況を勘案すると、全体としては概ね順調に進行していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本年度の研究で得られた実験データの情報解析を急ぎ、植物遺伝子群の発現制御について、転写開始反応レベルで制御と、クロマチンのリモデリングを介した制御の相対的な関係や比重などについて検討を進める。その上で、ゲノムの網羅的発現プロファイリングに用いるヒストンコードが、転写開始領域クロマチンのマーカーだけで実用的に充分なのかどうか検討する。 上記の解析・検討を基にして、ヒストンの ChIP-seq を利用した解析に着手する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定に従い、主としてクロマチン解析や次世代シーケンス解析の経費に充当する。
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Research Products
(6 results)