2011 Fiscal Year Research-status Report
ルシフェリン合成系を導入した完全人工発光植物の創製
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23657045
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
近江谷 克裕 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 副研究部門長 (20223951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光田 展隆 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 研究員 (80450667)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 組み換え植物 / ルシフェリン / ルシフェラーゼ / 発光イメージング / 有用物質生産 |
Research Abstract |
生命科学では基礎・応用研究の幅広い分野においてルシフェラーゼ遺伝子を人為的に導入した光る生物群が作られ、多くの生命現象の解明に貢献すると共に、創薬研究等に活用されている。また、しかしながら、人為的に作製した光る生物群は、全て発光反応の基質であるルシフェリンを外から加える必要があり、自己システムで完全に光る生物は作られていない。特に植物では最も早期に発光植物が開発され、観賞用発光植物が期待されていたのにも関わらず、その後の進展はない。そこでこれまでに解明されたホタルルシフェリンの生合成経路のキ―酵素群を遺伝子導入した人工植物を作出し、人工完全発光生物の創製を行うことを目標とした。本年度はまずは基盤となる3種類の発光強度、発光色が異なる甲虫ルシフェラーゼ遺伝子を個々に導入したシロイナズナ植物を作出した。作出したTGシロイナズナ植物に活性型D体ルシフェリン溶液に数分浸透させた後、CCDカメラでの撮影を試みた結果、葉っぱの状態そのままから発光画像を得ることができた。併せてルミノメータで測定したところ、高い発光活性であることも明らかになった。これらによって、基盤となる発光植物を樹立することができた。続いて非活性型のルシフェリン及び前駆体分子を用いた実験に進むため、候補分子の入手を進めている。一方、ルシフェリンの生合成経路に関わる酵素群を文献検索、情報収集を行い、有力候補遺伝子として植物由来のエステラーゼを選定、現在、そのクローニングを開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究者の光田はTG植物を作ることに優れており、これまでに基盤となる発光植物を作出した。今後は、これに各種ルシフェリンアナログ、前駆体を加えることで研究は進展点できる。また、ルシフェリン合成経路の遺伝子群も当初は動物細胞を想定していたが、検索の結果、植物の中にも候補遺伝子があることがわかったので、本研究計画を十分に遂行できることがわかった。よって、順調に進展しているということで(2)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り活性型ルシフェリンを効率よく合成できる植物由来の異性化酵素遺伝子を導入したTG植物を作出すると共に、ラセミ体ルシフェリンやCHBTを出発物質とし培地に加え状態での発光量が最大となる条件を決め、人工発光植物を創製する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画通り、消耗品を中心に研究費を活用し、年度内に目標を達成する。
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