2012 Fiscal Year Annual Research Report
ルシフェリン合成系を導入した完全人工発光植物の創製
Project/Area Number |
23657045
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
近江谷 克裕 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 研究部門長 (20223951)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光田 展隆 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 主任研究員 (80450667)
|
Keywords | 生物発光 / ルシフェリン合成 / 遺伝子導入植物 / 蛍ルシフェラーゼ / ウミホタルルシフェラーゼ |
Research Abstract |
生命科学では基礎・応用研究の幅広い分野においてルシフェラーゼ遺伝子を人為的に導入した光る生物群が作られ、多くの生命現象の解明に貢献すると共に、創薬研究等に活用されている。また、しかしながら、人為的に作製した光る生物群は、全て発光反応の基質であるルシフェリンを外から加える必要があり、自己システムで完全に光る生物は作られていない。特に植物では最も早期に発光植物が開発され、観賞用発光植物が期待されていたのにも関わらず、その後の進展はない。そこでこれまでに解明されたホタルルシフェリンの生合成経路のキ―酵素群を遺伝子導入した人工植物を作出し、人工完全発光生物の創製を行うことを目標とした。昨年度までに甲虫ルシフェラーゼ遺伝子を個々に導入したシロイナズナ植物を作出、活性型D体ルシフェリン溶液による発光を確認し、基盤となる発光植物を樹立することができた。今年度はL体ルシフェリンをD体へと変換するエステラーゼ酵素をクローニングしシロイナズナ植物に遺伝子導入した。従来、動物細胞ではL体ルシフェリンにエステラーゼ酵素を加えることで発光活性が増加する点は明らかであった。しかしながらエステラーゼ酵素を発現する甲虫ルシフェラーゼ遺伝子導入発光シロイナズナ植物では発光の増加が認められず、発光が抑制された。植物細胞ではエステラーゼ酵素が発光阻害する可能性が高く、別のストラテジーを立てる必要がある点が明らかになった。一方、ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子を導入したシロイナズナ植物を作出に成功した。これによってウミホタルルシフェリンの合成経路の検討も可能になった。
|