2013 Fiscal Year Annual Research Report
生体観察のためのホログラフィック4次元顕微鏡の開発
Project/Area Number |
23657050
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
佐藤 邦弘 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40167432)
|
Keywords | デジタルホログラフィ / 3次元断層顕微鏡 / レンズレス / 超高分解能 / 生体計測 / 生体細胞 |
Research Abstract |
本年度研究の第1の目的は、生きた生体組織を用いて高分解能断層撮像の実験を行い、断層撮像の原理を実証することである。まず、反射型レンズレスホログラフィック顕微鏡を開発し、波長掃引レーザ光を用いた実験を行って3次元断層顕微鏡の原理を確認した。断層撮像の手順は、(1)物体光と照明光をホログラムに同時記録してレーザ光の波長を変えながらホログラム多数枚を記録する、(2)同時記録したホログラムから照明光と物体光を分離して取り出して光波長が異なる多数の物体光と照明光を用いて断層画像を生成する、となる。深度の大きい細胞レベル高分解能断層画像の撮像が可能であることを示し、断層画像の分解能および断層の厚さとして理論値と一致する値を得た。次に、玉ねぎの鱗葉を生体試料として断層撮像の実験を行い、細胞レベルで表皮組織の観察が可能な高分解能断層画像を得た。 本年度研究の第2の目的は、多方向入射の照明光を用いた高分解能化の方法を提案し、超高分解能ホログラフィック顕微鏡を開発することである。まず、微小球を用いて開口数の大きいホログラムの記録を実現した。次に、照明光入射角を変えて複数枚のホログラムを記録し、大開口数の物体光波を計算機合成して再生画像を高分解能化する方法を提案した。この方法により、開口数が1を超える物体光記録が可能になり、透過型に限らず反射型の顕微鏡に対してもその分解能を光回折限界の2倍まで高めることが可能になる。テストターゲットを用いた実験を行い、大開口数物体光波の記録と再生画像の高分解能化が可能であることを示した。
|