2012 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類海馬における新生顆粒細胞の選択的刺激方法の開発
Project/Area Number |
23657058
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
古川 康雄 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (40209169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椋田 崇生 広島大学, 総合科学研究科, 助教 (60346335)
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Keywords | ペプチド作動性チャネル / FMRFamide / 海馬 / 神経新生 |
Research Abstract |
海馬歯状回における神経新生は、海馬が学習・記憶に重要な脳部位であることから注目されており、新生ニューロンの機能を研究するために、新生ニューロンを特異的に刺激する手法が望まれる。本研究課題では、軟体動物神経系に存在するFMRFamide作動性Na+チャネル(FaNaC)を分子ツールとし、ラットにおいて新生ニューロンを特異的に刺激する方法を開発することを目的とした。 FMRFamideは哺乳類脳には存在しないので、内因性ペプチドがFaNaCを活性化する可能性はほぼないが、FMRFamide感受性ができるだけ高い方が望ましい。そこで、当研究室で行っているFaNaCの構造機能相関に関する研究とリンクさせながら変異体チャネル作成を進め、より低濃度のFMRFamideで活性化される変異体チャネルの開発を試みた。その結果、野性型チャネルより10倍以上感受性の高いFMRFamide作動性Na+チャネルを作出することが出来た。また、FaNaCの発現部位を組織化学的に検出するために、チャネル遺伝子末端にタグ(FLAG)をつけた改変チャネルを作製した。 当初の計画では、新生ニューロンに特異的にFaNaCを発現させるためにレトロウィルスを使う方法を計画し、そのために必要なP2レベルの遺伝子組換え実験ができる施設を部局内に新設する予定であったが、研究期間内に実験室を整備することが不可能であることが分かり、この手法は断念せざるをえなくなった。そこで、今後の研究展開も見据えて、脳への遺伝子導入法としてエレクトロポレーション法を採用することにした。現在は、まだ試行段階の域をでていないが、ラット胎児および新生ラットの脳に外来遺伝子を導入するための手技の確立を目指しているところである。
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Research Products
(3 results)