2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23657060
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
志賀 向子 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90254383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 慎介 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70347483)
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Keywords | 概倍日リズム / 位相反応 |
Research Abstract |
様々な周期の生物リズムが知られる中、オオクロコガネの成虫は一日半地中ですごし、二日周期で地上へ出てくる非常に珍しい活動リズムを持つ。本研究はこのユニークな行動に注目して概日時計の関与という観点からこのリズムの至近要因を明らかにし、野外観察から究極要因を探る糸口を探すことを目的とする。本年度は、1)昨年度に引き続き、およそ二日周期のリズムを駆動する時計の周期を調べるために、野外採集したオオクロコガネ成虫を用いて光パルスに対する位相反応を調べ、2)大阪府大和川河川敷に生息する成虫を用いて準自然条件下で飼育し、交尾やフェロモン放出など、地上での行動観察を行いこれらの時刻や頻度の観察を試み以下の結果を得た。 1)位相反応:昨年度開発した方法でスポンジ片を用いて恒暗条件で成虫を飼育し、様々な位相で光パルスを与えて地上への出現リズムの位相変位を調べた。その結果、オオクロコガネが地下に滞在する日の主観的夜と地上に出てくる日の主観的夜の連続した二日間において、それぞれ概日時刻(CT)15とCT21に光パルスを与えた。その結果、共通してCT21の近くで位相前進が見られた。このことから、この二日リズムの背後には概日時計のしくみが関わることが示唆された。また、概日時計遺伝子Clockをクローニングした。これを用いて、ノックダウンを行い、概倍日リズムに対する影響を調べる予定である。2)7~8月にかけて成虫を採集し、準自然条件下で集団飼育した。日暮れ前後にかけて自然光のもと成虫の出現、及び地上での行動を観察したが、飼育条件下では交尾行動、フェロモン放出行動ともに観察することはできなかった。
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