2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内部位特異的光架橋を用いた出芽酵母SCF複合体に対する基質同定法の開発
Project/Area Number |
23657088
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
嘉村 巧 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40333455)
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Keywords | タンパク質分解 |
Research Abstract |
ユビキチン・プロテアソーム系を介したタンパク質分解が様々な生命現象に重要な働きをしていることが明らかになり、注目を集めてきている。中でも、基質特異性を決めるユビキチンリガーゼ(E3)の研究が盛んに行われている。しかしながら技術的困難さにより現時点までにE3と基質の関係が明らかになっているのはごく僅かである。そこで本研究では、E3対する基質を、細胞内部位特異的光架橋法および免疫沈降法の組み合わせにより同定し、さらにはこれら酵素・基質関係により制御される分子機構を明らかにすることを目的としている。Hrd3はHrd1、Usa1そしてDer1と複合体を形成しE3として小胞体品質管理に機能する。Hrd3の任意の部位にアンバーコドンを導入し、紫外線照射による架橋反応の検討を行った結果、アンバーコドンの部位依存的に特異的タンパク質が結合してくる条件を見出した。これらの過程で、この方法は、相互作用することが明らかになっている分子間での最少結合部位を同定することに適しているが、新たな結合因子の同定には適していないことが判明した。この方法の代わりに酵母two-hybrid法を用いてMet30の新たな基質p50を同定した。p50はプロテアソーム阻害剤MG132処理で安定性が亢進することより、ユビキチンープロテアソーム系を介して分解されることが示唆された。Met30は内在性のタンパク質レベルでp50と結合した。Met30の不活化によりp50の安定性が亢進した。現在Met30によるp50分解の意義を細胞生物学的に解析している最中である。
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