2011 Fiscal Year Research-status Report
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23657091
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
表 弘志 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (10273707)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | バイオテクノロジー / ナノバイオ / 蛋白質 / 生体膜 / トランスポーター |
Research Abstract |
トランスポーターはイオンや栄養物質を輸送する膜タンパク質であり、生命維持に必須な活動を行っている。トランスポーターは様々な疾患や薬物の体内動態にも関わっている事から、その機能をタンパク質レベルで解析する事が重要になってきている。トランスポーターを昆虫細胞やバクテリアを用いて大量に生産し、精製する技術が確立されたが、一方で、トランスポーターをリポソーム中に埋め込む技術は未だ発展途上である。生体膜の中ではトランスポーターは一定の配向性をもち存在している(right side out)。一方で、トランスポーターをリポソームのような人工膜に埋め込む場合、その配向性はランダムになり、50%が正常な方向性で(right side out)、50%が逆向き(inside out)に配向することが知られている。この事がトランスポーターの基礎研究だけでなく工学利用にも大きな障害となっていた。 本研究ではバクテリアを用いた発現系を用いて、最適な人工膜埋め込み法を構築する事を目的とした。大腸菌由来の可溶性タンパクYaiNおよびYbeL(分子量それぞれ1万程度)を結合したタンパクを小胞型グルタミン酸トランスポーター(VGLUT)に融合した。これにより、大きな可溶性ドメインを持つVGLUTを数種作製し、オクチルグルコシド、フォスコリン、ドデシルマルトシド等の界面活性剤の効果を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標通り、VGLUTを始めとするいくつかの融合トランスポーターを作製し、界面活性剤などの効果を検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き最適化条件を探索すると同時に、ビーズを使用した再構成技術を確立する。 この系では融合タンパク質にHisタグ等を介してビーズを結合させる。この状態で脂質と混ぜて、希釈法によりリポソームを再構成する。ビオチン化タグ融合タンパク質とストレプトアビジンビーズの組み合わせについても検討する。検討すべき条件は先と同様であるが、これに加えビーズのサイズについても種々のものを使用する。 また、作製したリポソームについて、輸送活性があるか検討する。さらに、アセト酢酸、エバンズブルー等の阻害剤を用いて、阻害剤の結合が配向性によって変化するか検定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記目標を達成するために、蛋白質精製試薬(400千円)、細胞培養培地等(300千円)、抗体製造、ビーズ等(300千円)、試薬・器具など(100千円)を使用する予定である。
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