2011 Fiscal Year Research-status Report
抗体遺伝子への選択的変異導入におけるASF/SF2の新規機能の解明
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23657092
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
金山 直樹 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (70304334)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ASF/SF2 / SRSF1 / 体細胞高頻度突然変異 / 抗体 / 国際情報交流 / 米国 |
Research Abstract |
抗原に対する抗体の親和性は、抗体遺伝子上に起こる体細胞高頻度突然変異によって向上する。 AIDの発現がこの変異導入に必須であることは示されているが、変異導入装置の実体およびその抗体遺伝子への標的化機構は多くが謎である。申請者は、選択的スプライシング因子ASF/SF2のアイソフォーム(ASF3)を欠損すると、AIDの存在下にもかかわらず抗体遺伝子への変異導入が消失することを見いだした。本研究では、変異導入装置の活性化および抗体遺伝子への標的化の維持においてASF3が決定的な役割を担っているかどうかについて、突然変異能を有するニワトリB細胞株DT40を用いて解明する。高頻度突然変異の制御機構の解明は、制御の破綻によるガン発生機構の解明や効率的抗体作製法の開発に寄与しうる点でも重要である。 本年度は、変異誘導能を有するASF/SF2アイソフォームの同定を行った。ヒトASF1のみを発現するDT40-ASF細胞において抗体遺伝子への変異が消失するが、ニワトリASF/SF2のアイソフォームASF1、ASF2、ASF3のうちASF3のみ変異を復活させる能力を有することが分かった。また、生存に必須なASF1の欠損を補完出来ないドミナントネガティブ体(DN)のASF1をDT40-ASF細胞に導入したところ、大量にDN-ASF1を発現させた場合にDT40-ASFの変異能力の回復が若干見られた。この変異能力はASF3を導入したときほどではなく、また、極端に高発現させないと効果が現れないことから、ASF1の機能の制御が変異に関与している可能性はあるが、ASF3の機能は、ASF1に対する抑制的効果というよりは、変異導入機構に対する促進的効果であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書・交付申請書に記載した計画通りに研究が進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画調書・交付申請書に記載した計画通りに研究を推進する。予定外の発見を示唆する予備的な結果も得られているので、それらについても検討を進め、研究を展開する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画調書・交付申請書に記載した通りに効率的に研究費を使用する。
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[Journal Article] Activation-induced cytidine deaminase (AID)-dependent somatic hypermutation requires a splice isoform of the serine/arginine-rich (SR) protein SRSF12012
Author(s)
Y. Kanehiro, K. Todo, M. Negishi, J. Fukuoka, W. Gan, T. Hikasa, Y. Kaga, M. Takemoto, M. Magari, X. Li, J. L. Manley, H. Ohmori, N. Kanayama
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Journal Title
Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America
Volume: 109
Pages: 1216-1221
DOI
Peer Reviewed
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