2011 Fiscal Year Research-status Report
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23657097
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 聡 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30283641)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ライトガイド型フローセル / 一分子蛍光観察 / タンパク質 / 長時間観察 |
Research Abstract |
当研究では、ライトガイド型の一分子蛍光観察用のフローセルを製作し、一分子蛍光観察の観察時間を延ばすことを目的としている。本年度は、第一に蛍光観察のための共焦点顕微鏡の製作を行った。特に、ドナー色素とアクセプター色素の両方の信号を検出するための2チャンネルの検出系を製作した。次に、ライトガイド型のフローセルの基礎設計を進めた。PDMS素材のフローチャネルに、ライドガイド型光ファイバーを突き刺すことで、フローセルが製作できると考えられる。しかし、この過程で、PDMS素材が大きな蛍光バックグラウンドを与えることに気づいた。これにより、一分子の蛍光観察が大変難しくなることが予想される。そこで、PDMS素材の蛍光バックグラウンドを低減するための工夫を各種行った。例えばレーザー光を十分に照射してブリーチさせること、あるいは、PDMSを重合させる前の素材を精製することなどを試みたが、一分子レベルの蛍光を観察できる程度にまでバックグラウンドを低減させることができなかった。次に、一分子観察のための背景光の少ない素材の一つとして、フッ化カルシウムが有用である可能性に気づき、具体的な検討を行っている。このほか、PDMSに変わる蛍光バックグラウンドの少ない素材の検討を続けている。このように、素材の背景光という障害により、当初目的とした進度では研究が進んでいない。今後は、背景光を出しにくい波長域での観察を行うなど、さらに可能性を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記に示したように、フローセルの素材と考えていたPDMSの背景光が原因で、予定していたフローセルの製作が進んでいない。今後もさまざまな可能性を検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
PDMSに変わる無蛍光の素材の検討をすすめる。また、PDMSの蛍光が少ないとされる他の励起波長による蛍光観察も進める。さらに、フッ化カルシウムなど、硬い素材を使ったセル製作の可能性も検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、フローセルの素材の検討から開始する。そのため、予算の全額を消耗品などの物品費に使用する。
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