2013 Fiscal Year Annual Research Report
光合成蛋白質と金属ナノ粒子を用いた人工光エネルギー水分解システムの開発
Project/Area Number |
23657099
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野口 巧 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60241246)
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Keywords | 光合成 / 水分解 / 酸素発生 / 人工光合成 / 金属ナノ粒子 |
Research Abstract |
酸素発生能を持つ光化学系II蛋白質と金属ナノ粒子を用いたハイブリッド型人工光水分解ナノシステムの開発を目指し、以下の研究を行った。 1.シアノバクテリアより調製した光化学系I(PSI)および光化学系II(PSII)を直径20 nmの金ナノ粒子(GNP)に結合させたPSI-GNP-PSII複合体について、共焦点レーザー顕微鏡を用いた極低温一分子蛍光観察を行い、これらの光合成蛋白質が同一金ナノ粒子上に結合していることを確認した。また、水を電子供与体とする光化学系IIから光化学系Iへの電子移動反応を、光化学系Iの第一電子供与体クロロフィルP700の光誘起電子吸収変化により追跡し、電子メディエーターDCPIPを介した電子移動の存在を確かめた。 2.光化学系Iに直径3 nmの白金ナノ粒子(PtNP)を結合させ、PSI-PtNP複合体を形成した。この複合体に人工電子供与体としてアスコルビン酸とTMPDを電子供与体として添加し、光を照射することにより、光エネルギーによる水素発生の検出を試みた。光照射後に得られた気体をガスクロマトグラムによって分析した結果、光照射により微量ながら水素の発生を確認した。さらに水素発生能を向上させるため、光化学系Iの電子供与体側に結合するシトクロムcを、遺伝子導入した大腸菌より精製した。このシトクロムcを電子供与側の電子メディエーターとして用いることにより、水素発生活性が著しく向上すると考えられる。
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Research Products
(31 results)