2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分子挙動観察のための蛍光性シリコンナノ結晶の開発と応用
Project/Area Number |
23657101
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
楠見 明弘 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 教授 (50169992)
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Keywords | 応用光学・量子光工学 / 複合材料・物性 / マイクロ・ナノデバイス / 量子ドット / シグナル伝達 |
Research Abstract |
現在の蛍光顕微鏡観察、1分子蛍光観察の最大の限界は、蛍光プローブにある。特に、以下の3つの問題、(1) 大きい(量子ドットとGFP)、(2) すぐに退色する(量子ドットでさえ数分)、(3) ブリンキングする(点滅する;特に、GFPと量子ドット)の早急な解決が必要である。本研究では、蛍光性シリコンナノ結晶(SiNC)を基礎とした細胞観察用の蛍光プローブを開発し、上記の3つの問題を一気に解決することを目的とする。昨年度までの研究によって、タンパク質(トランスフェリン)を結合させた親水化SiNCを作製し、それを培養細胞に添加して、培養細胞上のトランスフェリン受容体を1分子追跡できるようにした。 本年度の実績は以下の通りである。 (1)SiNCで標識したトランスフェリンと有機蛍光分子Cy3で標識したトランスフェリンの両方を用いて、トランスフェリン受容体の1分子追跡を行い、両者を比較した。両者で、拡散運動のモードも拡散係数も、非常に良い一一致を見た。Cy3標識では、1分子のトランスフェリン受容体分子の細胞内取込みは、蛍光退色のため観察できなかったが、SiNC標識では、1分子レベルでの取り込みが観察できた。 (2)各々のトランスフェリン受容体1分子を長時間観察した結果、細胞膜には1ミクロンのスケールで、拡散速度の違う領域がパッチワークのようにつながっていることが分かった。今までも、このような観察は断片的にはされてきたが、SiNCの開発とそれを用いた標識に成功したため、1個の分子を長時間、細胞膜上で追跡することが可能になり、このような発見につながった。(1)(2)については、論文を、Jounal of Cell Biologyに出版した。 (3)SiNCの1回のバッチあたりの生産規模の拡大に成功した。商業規模ではないが、国内外の研究者で興味を持つ方にSiNCを供給する目途が立った。
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[Journal Article] Biexciton state causes photoluminescence fluctuations in CdSe/ZnS core/shell quantum dots at high photoexcitation densities2013
Author(s)
N. Yoshikawa, H. Hirori, H. Watanabe, T. Aoki, T. Ihara, R. Kusuda, C. Wolpert, T. K. Fujiwara, A. Kusumi, Y. Kanemitsu, and K. Tanaka
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Journal Title
Physical Review B
Volume: Vol.88
Pages: 155440, 1-5
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Biocompatible fluorescent silicon nanocrystals for single-molecule tracking and fluorescence imaging2013
Author(s)
H. Nishimura, K. Ritchie, R. S. Kasai, M. Goto, N. Morone, H. Sugimura, K. Tanaka, I. Sase, A. Yoshimura, Y. Nakano, T. K. Fujiwara, and A. Kusumi
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Journal Title
Journal of Cell Biology
Volume: Vol.202
Pages: 967-983
DOI
Peer Reviewed