2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23657102
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
櫛引 俊宏 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 准教授 (30403158)
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Keywords | レーザー / 細胞 / 機能制御 / 光 |
Research Abstract |
平成23年度に細胞への光照射系の確立および各種タンパク質の測定系が整ったため、平成24年度開始当初より大幅な研究スピード促進を図った。具体的には4月および5月には技術補佐員3名を雇用し、これまでに確立した系を用いて、多細胞種および多種類のタンパク質を標的とした光照射実験と発現が増減するタンパク質の解析を行った。骨芽細胞や脂肪前駆細胞をはじめとした前駆細胞、前立腺や子宮頸がん由来のがん細胞などをはじめとした細胞の種類だけでなく、細胞への光照射後に分泌される各種タンパク質測定をこれまでにないスピードで網羅的な解析を行った。6月以降、発現が増加しているタンパク質を約10種類同定できたところで、一つ一つのタンパク質解析とそのタンパク質による細胞内ネットワーク解析を行い、現在も引き続いてタンパク質の同定および光照射により発現が増減するタンパク質の解析を行っている。さらに、この研究実施期間中の新たな発見として、細胞へ光照射後、細胞内で活性酸素種量が増加することを明らかにした。可視域の波長の中でも特に青色光に近い比較的波長の短い光を細胞に照射した後、細胞内での活性酸素種量が著しく増大することを明らかにした。この現象について一定の成果が得られたため、原著論文にまとめている。細胞内で発生する活性酸素種は多くのタンパク質の発現の引き金となっていることが知られており、光照射後のタンパク質を網羅的に解析するだけでなく、その発現メカニズムとして、光照射後の細胞内活性酸素種生成を提案している。これらの現象を系統だてて解析し、最終目標であるレーザー光照射が細胞に及ぼす影響の解明についてまとめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞へのレーザー光照射条件の最適化、レーザー光照射後の各種サイトカインの分泌量や転写因子の発現量変化の測定など、順調に進展している。さらに、研究期間中に新たに発見した事象について速やかに原著論文にまとめて投稿・掲載されたとともに、総説論文も掲載され、研究成果の観点から見ても順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
骨芽細胞前駆細胞へ波長405nmレーザー光を照射した結果、エネルギー依存的に細胞内に活性酸素種が発生していることが明らかとなった。細胞内で発生する活性酸素種は多くのタンパク質の発現の引き金となっていることが知られており、NF-kappaBを中心とした転写因子が重要な役割を担っている。そこで本研究提案ではNF-kappaBを中心とした各種サイトカインなどの発現解析を行う。さらに、種々の細胞内光受容体の単離・解析を進めるが、これまでに光受容体から応答遺伝子の転写に至るまでの転写因子や転写因子結合配列については殆どわかっていない。本研究提案では細胞内光受容体としてチトクロムcオキシダーゼ、ロドプシン、ポルフィリン類、フラボプロテインを主な標的とし、各種細胞内光受容体の光受容メカニズムとそれに続く遺伝子転写・発現制御、タンパク質発現制御へと結びつける。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞培養維持のための試薬類、タンパク質定量のための各種試薬類の購入を計上する。さらに、研究調査または発表するための学会参加費・旅費を計上する。研究の進捗によっては研究加速のための人件費(短期補助員雇用)を計上する。
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Research Products
(2 results)