2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23657112
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
大竹 史明 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 主任研究官 (60447373)
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Keywords | ユビキチン / 質量分析 |
Research Abstract |
ユビキチン化は生体機能に不可欠な翻訳後修飾の一つであり、蛋白質分解やシグナル伝達をはじめとして、多彩な機能を有している。しかしながら、ユビキチン分子自身に対する翻訳後修飾についてはよくわかっていない。そこで本研究では、ユビキチン分子自身が翻訳後修飾の基質となる可能性の検討を進めた。本年度は、ユビキチン分子内の翻訳後修飾を探索するため、前年度に構築したユビキチン精製系を用いて、質量分析計(LC-MS/MS)による質量シフトを解析した。また、修飾の基質特異性を考慮して、基質において特定の修飾が濃縮される可能性を検討するため、基質候補因子などの免疫沈降産物を用いた翻訳後修飾の検討も行った。一方、リン酸化修飾について検討したところ、特異的残基でのリン酸化修飾を受ける可能性が示唆されていたため、詳細に解析した。抗体や点変異体を用いた解析から、in vitroアッセイ系においては、残基特異性をもってユビキチンがリン酸化されることが示唆された。培養細胞を用いて、内在性ユビキチンにおけるリン酸化の可能性についても検討を行った。より詳細かつ確実な情報を得るため、精製した細胞内在性ユビキチンを用いた質量分析では、微量修飾の精確な同定は困難を伴うことがわかってきた。そこで、理論質量と溶出範囲を設定することによる高感度化が期待できる標的プロテオミクス法による解析を目指すこととし、実験系の構築を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ユビキチン分子内の翻訳後修飾同定に向けて、方法的な知見が集積しつつあり、また先行して同定した修飾については解析も遂行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きユビキチン分子内の新規な翻訳後修飾の同定を遂行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
質量分析技術による修飾の解析や、抗体を用いた解析を行っていく予定である。そのため、細胞培養や、関連する抗体、質量分析のための消耗品などに充てる予定である。
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