2012 Fiscal Year Annual Research Report
RNAiを制御する新規タンパク質結合型翻訳後修飾“Arb化”解明への挑戦
Project/Area Number |
23657117
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
飯田 直子 国立遺伝学研究所, 生命情報研究センター, 特任研究員 (40360557)
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Keywords | RNAi / Ptr1 / 細胞周期チェックポイント |
Research Abstract |
RNAi interferance (RNAi)機構は、Argonauteタンパク質(Ago)が中心的役割を担うsmall RNAを介した発生、細胞機能に重要な遺伝子発現制御機構である。我々は細胞周期チェックポイント活性時のAgo1複合体形成因子としてHECT型ユビキチンE3リガーゼ(Ptr1)を同定した。本研究はRNAi因子とPtr1がどのようにヘテロクロマチン構造形成と細胞周期チェックポイントを制御しているかを解明することを目的としている。本年度は、下記2項目について研究を行った。 (I) 内在性Ptr1検出系の確立:Ptr1は分子量365 kDaのタンパク質をコードした増殖必須遺伝子であり、タグの付加が出来ない。内在性Ptr1を検出するために、Ptr1抗体を作製した。これを用いた免疫沈降実験により、Ago1とPtr1の結合が確認出来た。本研究のこれまでの成果を論文にまとめた (Iida T, Iida N, Tsutsui Y, Yamao F, Kobayashi T. Biochem Biophys Res Commun. 2012 Oct 12;427(1):143-7)。 (II) Ptr1の標的因子のスクリーニング Ptr1による細胞周期チェックポイント制御機構を明らかにするため、ptr1変異株の温度感受性を抑圧する変異のスクリーニングを行い、約40個の変異体を得た。それら全ての原因遺伝子は次世代シーケンサーを用いたゲノムのリシーケンシングにより同定された。その結果、mTOR関連遺伝子がいくつか同定できた。 さらに、この遺伝子変異がago1変異の表現型も抑圧することを見いだした。この結果は、RNAi因子とPtr1がmTOR1経路を介し細胞周期を制御している可能性を示唆しており、さらに解析を進めている。これらの成果については論文投稿の準備を行っている。
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