2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23657122
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
山崎 正和 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (40373378)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 遺伝学 / 細胞・組織 / 発生・分化 / 平面内細胞極性 / PCP |
Research Abstract |
上皮組織内の細胞の多くは、細胞の頂部-基部軸と直交する組織平面の特定の軸に沿った極性を獲得する。これは、平面内細胞極性(planar cell polarity, PCP)と呼ばれ、ほとんどの多細胞生物において見られる一般的な現象である。PCPは組織や器官の構築・維持に必須であり、その破綻は発生異常や疾患の発症に繋がる。これまでPCP制御分子は機能的な違いから大きく2つのグループ(Ds/Ft グループとFz/Fmiグループ)に分類されていたが、申請者は、独自に同定した新規PCP分子Jitterbug(Jbug)の機能解析において、未知の「第3のPCP制御グループ("Jbugグループ")」の存在を示唆する結果を得ている。本研究では、Jbugの機能解析を通してこの第3のグループの全貌を明らかにし、この新規グループに属する分子群を介した新たなPCP制御機構を解明する。我々は、Jbugグループの構成因子を同定するためのRNAiスクリーニングを行い、Jbugグループ構成因子を23個(Member of Jbug Group (MJG) 1-23と命名)同定した。また、各種エピトープタグを付加したjbugを発現誘導可能なトランスジェニックショウジョウバエ系統(UAS-EGFP::jbugおよびUAS-FLAG::jbug,UAS-HA::jbug)を作製した。今後、Jbugグループと既知のPCP制御グループ(Ds/Ft グループとFz/Fmiグループ)との関係を明らかにし、新規PCP制御機構を解明したい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初予定していた通り、研究が進行しており、研究目的を達成するに充分な成果を得ているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度、ほぼ当初予定していた通り研究が進行し、Jbug構成因子(Member of Jbug Group: MJG)を多数同定することができた。また、当初予想していたよりも数多くのMJG分子を同定できたため、昨年度は実験結果の検証に時間を要した。本年度は、昨年度施行予定であった個々のMJG分子に着目した解析を引き続き行う予定である。これと併せて、本年度施行予定の実験に関しても、効率良く進める。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上述したように、当初予想していたよりも数多くのMJG分子を同定できたため、昨年度は実験結果の検証に時間を要した。本年度は、昨年度施行予定であった個々のMJG分子に着目した解析を引き続き行う予定であり、そのための繰越金が生じた。昨年度からの繰り越し金を合わせ、申請書の計画に従った研究を効率良く進める。
|