2012 Fiscal Year Annual Research Report
光照射により生細胞内の小胞輸送反応を制御するシステムの構築
Project/Area Number |
23657123
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 健 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (00303602)
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Keywords | 小胞体 / コートタンパク質 / フォトトロピン / 低分子量GTPase / 小胞輸送 / 出芽酵母 |
Research Abstract |
真核細胞内の代表的な物質輸送システムである小胞輸送反応について、この反応を駆動する因子に光依存的に大きな構造変化を起こすことが知られているエンバク由来の光センサータンパク質であるフォトトロピン PHOT1を融合させることにより、光照射によって生きた酵母細胞内の小胞輸送反応を光制御するシステムの構築を試みた。平成24年度は前年度に引き続いて、低分子量GTPase Sar1pを活性制御のターゲットとして、Sar1pが小胞体膜と結合するN末端にPHOT1中の光受容部位であるLOVドメインとそれに隣接するJアルファヘリックス領域を融合させ、さらに細胞内局在の検出用としてC末端に蛍光タンパク質mCherryを融合させたPHOT1-Sar1p-mCherryをデザインし、これを酵母細胞内で発現させる系を構築した。共焦点顕微鏡による観察からPHOT1-Sar1p-mCherryの小胞体膜上への発現は検出できるものの、残念ながら光照射による大きな局在変化は観察されなかった。研究期間全体を通じて、酵母細胞内の小胞輸送反応を光制御することを目的として、 Sar1pを活性制御のターゲットとして選定し、in vitroとin vivoの両面からのアプローチを行った。in vitroにおいては、光照射による構造変化が可能なフラビンを結合したPHOT1を含むPHOT1-Sar1p融合タンパク質を大腸菌から精製することに成功したものの、試験管内再構成系による輸送反応を光制御するまでには至らなかった。また、in vivoによるアプローチにおいても、PHOT1を融合したSar1pの構築と小胞体膜への発現には成功したものの、光照射による活性制御には残念ながら至っていない。今後は、PHOT1とSar1pとの融合部位の検討や、Sar1p以外のターゲットを選定して実験をデザインする必要がある。
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Research Products
(4 results)