2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23657125
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大杉 美穂 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (00332586)
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Keywords | 中心体 / 癌細胞株 / マウス初期胚 |
Research Abstract |
γチューブリン環状複合体(γTuRC)は微小管重合核として必須の役割をもつ。その主要構成 分子であるγチューブリンは、多くの生物種で2種存在する。哺乳動物の場合、TUBG1、TUBG2 と よばれる 2 種類のγチューブリンはアミノ酸配列が95%以上同一であり、両者の機能的な違いは不明である。中心体の微小管形成に対する寄与が低い、あるいは無い細胞では TUBG2 の発現が高いという相関があることなどから、両者にはγTuRC として機能する場や制御機構に違いがあるのではないかとの発想に至った。本研究は TUBG2の発現が顕著なマウス卵、初期胚を用い、両者の機能の違いを探ることを目的としている。また、癌細胞における異所的な TUBG2 の発 現の有無を調査し、新たな癌マーカーや、治療の標的候補としての可能性を検討することを目指している。 平成24年度は平成23年度にTUBG2を発現することが示唆された癌由来細胞株のうち、4細胞株についてTUBG2特異的なsiRNA処理を行い、これらの細胞株が確かにTUBG2を発現していること、またこれらの細胞株ではTUBG2の発現抑制により、TUBG1が充分量発現しているにも関わらず増殖が抑制されることを見出した。更に、TUBG2遺伝子欠損マウスの譲渡を受け、TUBG2欠損卵、初期胚の解析を行うために必要なマウス数獲得を目指した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度はTUBG2遺伝子欠損マウスの卵、初期胚を用いた解析を行う予定であったが、マウス飼育室の移動の影響もあり、マウスの交配が予定通りに進まず、また産まれたTUBG2遺伝子欠損マウスの性別が雄に偏っていたため、研究に必要な数の卵、初期胚を得る事ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度末には、充分量のTUBG2欠損雄マウス、ヘテロ欠損雌マウスが確保できたため、今後はこの両者の掛け合わせにより充分量の卵、初期胚が得られると考えられる。従って、H24年度当初の計画に従い、TUBG2遺伝子欠損初期胚、胎児線維芽細胞を用いた解析を行うことで研究目標を達成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度からの持ち越し課題となったマウスの交配、飼育管理に必要な費用、およびマウス卵、初期胚、各種細胞細胞株の培養に必要な消耗品、マウス卵に対して遺伝子導入、siRNA導入を行うために必要な消耗品として使用する。更に、学会参加、研究打ち合わせのための国内旅費としても予算を計上した。また、経年劣化による機器修繕費として、直近3年間の実績から予想される金額を計上した。
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Research Products
(1 results)