2011 Fiscal Year Research-status Report
ゴルジ装置のpHセンサーと局在メカニズムに関する研究
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23657131
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 裕輔 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (00294124)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | pH / ゴルジ装置 |
Research Abstract |
ゴルジ装置の酸性環境による細胞内ホメオスターシスの制御機構の分子メカニズムを明らかにするために、1)ゴルジ装置のpHセンサー分子ならびに内腔側pH依存的にゴルジ膜に結合するタンパク質(つまりセンサー分子の下流に位置すると思われる分子)の同定、2)pH依存的に膜タンパク質がゴルジ装置に局在するメカニズムの解明、という2つの研究計画目標を掲げた。平成23年度には1)計画書に記載したショ糖密度勾配超遠心法等で分画精製されたゴルジ装置を用いる生化学的な手法では今ひとつ成果が得られていないが、同時に新たに考案した発現クローニング法を用いることで酸性化障害の異常表現型の発現にとって必須の新規タンパク質を同定することができた。即ちこのタンパク質を酸性化障害細胞から除去すると、タンパク質輸送障害や糖鎖修飾異常という異常表現型の出現を抑制することができた。現時点では、pHセンサー分子の有力候補であると考えている。2)1)同様、分画精製されたゴルジ装置を用いる生化学的な網羅的同定法では今ひとつ成果が得られていないので、ゴルジ装置分画の純度やインタクトネスの改善に努めている。しかしながら、これまでのプロトンポンプ阻害剤などの薬剤を用いた実験から糖鎖修飾異常は糖転移酵素の局在異常によると考えられていたが、GPHR変異細胞を詳細に調べることにより、実際には局在異常はその表現型にほとんど寄与していないことが判明した。現在、GPHR変異細胞で見られるGBF1やCOPIコートマータンパク質の局在異常が1)の述べたpHセンサー分子の有力候補である新規タンパク質の欠損で正常化するかを検定中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画書に記載した実験の重要なソースであるショ糖密度勾配超遠心法等で分画精製されたゴルジ装置の純度やインタクトネスに問題がありその技術的な問題点の改善に努めている。ただpH酸性化障害における異常表現型の発現にとって必須の新規タンパク質を同定することができたことは大きな収穫である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)実験の重要なソースであるショ糖密度勾配超遠心法等で分画精製されたゴルジ装置の純度やインタクトネスに問題がありその技術的な問題点の改善に努め、網羅的解析を遂行する。2)pHセンサー分子の有力候補であるタンパク質の発現低下細胞を作成し、ゴルジ装置局在タンパク質の局在に変化が無いかを観察し、もしあれば局在メカニズムを解明する手がかりとして用いる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画書に沿って行なう。
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Research Products
(3 results)