2011 Fiscal Year Research-status Report
リン酸化・脱リン酸化酵素が構成する「相互抑制ループ」の解析
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23657134
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
持田 悟 熊本大学, 大学院先導機構, 特任助教 (60590304)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | タンパク質リン酸化 |
Research Abstract |
代表者をふくむ国際共同研究チーム(スペイン国立がん研究センター、アメリカロックフェラー研究所)は、染色体の動原体部分に存在する脱リン酸化酵素が複数種ある事があきらかにし、さらにそれらが互いに異なる機能を果たしていることが示唆された。姉妹動原体同士の結合にはSgo1タンパク質が必要であることが分かっていたが、今回はSgo2タンパク質の解析を行い、このタンパク室がSgo1とは異なり、姉妹動原体同士の結合には必要ないこと、そしてそのかわり二極性の分裂期放錘体の形成に必要である事が明らかとなった。このように配列上は互いに良く似たSgo1、Sgo2両タンパク質は異なる機能を持っているが、その違いは結合しているPP2A脱リン酸化酵素の種類によって生み出されている事を示唆する事ができた。いっぽう研究上、必要な脱リン酸化酵素に対するポリクローナル抗体の作成も着々と進んでいる。これまでPPPファミリーの脱リン酸化酵素に対する抗体群が準備されていたが、それに加えて二重特異性脱リン酸化酵素(Pten1, Pten2, Slingshot, Cdc14A, Cdc14B, Myotubularin他)に対する抗体である。データベースサーチからはEnsaがこれまで予想していた以上のリン酸化を受けている事が分かり、今後の研究の発展方法が広がったことは重要な進展であった。特にチロシン残基がリン酸化されているという知見は、このタンパク質が増殖やストレス等の刺激を受け取り、それを生化学的な力に転換している可能性をしめしており、今後につながる進展である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに準備されていた脱リン酸化酵素に対する抗体に加え、さらに10種類程度の抗体を作成し順次テストを行っており、着々と計画は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
特に研究推進計画上、変更点は無い。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度の未使用額はなく、当初の計画通り研究費を使用する予定である。
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