2011 Fiscal Year Research-status Report
マツノマダラカミキリのゲノム上に存在する共生細菌由来遺伝子群の機能解析
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23657163
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
相川 拓也 独立行政法人森林総合研究所, 東北支所, 主任研究員 (90343805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安佛 尚志 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 研究員 (30392583)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | マツノマダラカミキリ / ボルバキア / 遺伝子水平転移 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
既往の研究により、マツ材線虫病の病原体であるマツノザイセンチュウを媒介するマツノマダラカミキリの染色体には、節足動物の共生細菌として知られるボルバキアの遺伝子が数多く組み込まれていることが示されている。本研究の目的は、このマツノマダラカミキリの染色体上に大規模に存在するボルバキアの遺伝子群が、宿主昆虫体内で機能しているかどうかを明らかにすることである。 本年度は、H24年度に行う予定のマツノマダラカミキリのRNA解析に用いる成虫体を大量に確保するため、供試昆虫の飼育に取り組んだ。まず、H23年4月にマツノマダラカミキリが寄生している野外のマツ枯死木を伐倒後玉切りにし、それらの丸太を網室に入れた。6月から8月の間に羽化したマツノマダラカミキリ成虫を採集し、約1カ月間個別飼育して性成熟させた。性成熟後のマツノマダラカミキリ成虫は雌雄1頭ずつペアにしてマツの丸太に産卵させた。産卵丸太は週に2回程度新しものと交換した。卵は丸太の樹皮を剥いで取り出し、シャーレに並べて25℃で保温した。孵化した幼虫は1頭ずつ人工飼料に入れ25℃の温度条件下で飼育した。終齢幼虫まで発育した個体は、休眠を覚醒させるために順次10℃の恒温室に入れ保管した。現在、約200頭のマツノマダラカミキリ終齢幼虫が10℃で保管されており、今後1~2か月程度で休眠が打破されることから、それらの個体を成虫に発育させた後にRNA解析の材料として用いる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りマツノマダラカミキリの飼育は順調に進んでおり、次年度のRNA解析に必要な頭数は十分に確保されている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度飼育したマツノマダラカミキリを成虫まで発育させた後、各組織からRNAを抽出して、組織別にRNAのSequence解析を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
RNAのSequence解析は専門の民間企業に委託する。よって、次年度の予算の多くは本解析の委託費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)