2013 Fiscal Year Annual Research Report
マツノマダラカミキリのゲノム上に存在する共生細菌由来遺伝子群の機能解析
Project/Area Number |
23657163
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
相川 拓也 独立行政法人森林総合研究所, 東北支所, 主任研究員 (90343805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安佛 尚志 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 研究員 (30392583)
菊地 泰生 宮崎大学, 医学部, 准教授 (20353659)
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Keywords | マツノマダラカミキリ / ボルバキア / 遺伝子水平転移 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
既往の研究により、マツ材線虫病の病原体であるマツノザイセンチュウを媒介するマツノマダラカミキリの染色体上には、節足動物の共生細菌として知られるボルバキアの遺伝子が数多く組み込まれていることが示されている。本研究の目的は、このマツノマダラカミキリのゲノム上に大規模に存在するボルバキア由来の遺伝子群の中に宿主昆虫体内で発現している遺伝子があるかどうかを明らかにすることである。本年度は、昨年民間企業に委託したトランスクリプトーム解析のデータを受け取り、それらのデータを整理し、得られたRNAの中にボルバキアの遺伝子由来のものがあるかどうか検索した。その結果、マツノマダラカミキリの各組織(精巣、卵巣、筋肉、消化管)から、ボルバキアの遺伝子由来と思われるRNAが複数検出され、その数は各組織間で大きく異なっていた。このように、マツノマダラカミキリの各組織で転移したボルバキアの遺伝子が実際に発現していることが初めて示された。今後は、マツノマダラカミキリの組織間で、その発現している遺伝子の種類や発現量がどれだけ違うのかを詳しく調べていく必要がある。その機能性を証明することができれば、ボルバキアの遺伝子がマツノマダラカミキリの生命活動にどのように寄与しているのかを明らかにすることができるだろう。
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Research Products
(2 results)