2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23657168
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
下村 義弘 国立大学法人千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60323432)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | 可視化 / 計測工学 / 人間生活環境 / ユーザインターフェース / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究では、表面筋電図を可視化するためのvEMG(visual electromyography)のモジュールと、その可視情報を定量化するための画像解析システムに関する基礎的方法の二点を開発した。光を伝送に用いる非接触の筋電位計測技術の基礎を確立した。 1.vEMGモジュール 双極誘導の表面筋電図の包絡線振幅に応じて緑~赤に色調を変える発光ダイオードを備えたハードウェアモジュールを作成した。このモジュールは単独で作動し、その入力は双極誘導のための2つの生体電極、アース電極、そして筋電位の増幅率や較正方法を設定するためのスイッチであり、出力は混色発光するLEDと、筋電位の生波形および包絡線の電圧信号であった。内部にはアナログ増幅部、フィルタ部、マイコンによるエンコードおよびその他処理部、LED駆動部とプログラミングおよび通信用コネクタが設けられた。骨格筋を実測した結果、発揮筋力に応じて実際に色調が変わり筋活動の様子を可視化することに成功した。前腕などの筋が多い部位における多点計測でもクロストーク(電極間干渉)は問題とならず、このモジュールを多数用いることで、あたかも筋電図のトポグラフを直接見るかのような測定システムの実現への道を拓いた。 2.画像解析システム LEDの色信号をカメラで読み込んで、表面筋電位の皮膚上の包絡線振幅を算出するシステムを作成した。マシンビジョンシステムによってLED発光のスペクトルを抽出し、緑と赤の発光強度の比を求め筋電位の包絡線をデコードした。モジュールからの電圧信号とデコードされた信号を比較したところ、高い一致性を示した。可視光をコーディング規則ならびに伝送方法として、非接触で表面筋電位を計測することに成功した。 環境光による外乱やカメラ側の性能の影響を受ける可能性があるため、システム全体におけるコーディング規則と較正方法の最適化が残された課題である。
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