2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23657169
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
勝浦 哲夫 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00038986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣鍔 直 名城大学, 理工学部, 教授 (30259874)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 生理人類学 / 時間感覚 / 発光ダイオード(LED) / 単波長光 / 事象関連電位P300 |
Research Abstract |
今年度はまず,発光ダイオード(LED)光源を用いた光呈示装置(積分球)を製作した。積分球は直径45 cmの球体で内壁は白色拡散反射面となっており,直径21 cmの開口部がある。積分球内に,波長470(青),505(緑),590(黄),660(赤)nmの単波長光を発するLEDを配置した。LEDの個数,電圧を調節して,放射照度を被験者の眼の位置で50 microW/cm2に統一した。被験者は積分球の開口部から内部を覗き込む状態で実験を行った。この状態で15分間の安静後,被験者は180秒の時間推定(時間産出)タスクを,主観評価と休憩を挟み2回行った。その後,事象関連電位P300を測定するためにオドボール課題を行った。脳波は国際10-20電極法のFz,Cz,Pzより単極導出で測定した。各単波長光条件は日を変えて同一時刻に行った。これらの測定は,被験者数を増やすために千葉大学と,研究分担者が所属する名城大学でそれぞれ男子大学生・大学院生10名を用い,合計20名で実施した。その結果,各波長光での推定(産出)時間は,青(186.6 ± 35.4 s),緑(198.9 ± 30.8 s),黄(196.9 ± 31.7 s),赤(194.5 ± 37.2 s)となった。産出時間に対する光条件の有意な主効果は認められなかった。また,P300の振幅,頂点潜時共に光条件の有意な主効果は認められなかった。得られた産出時間,事象関連電位P300の振幅と潜時の関係を検討し,光と時間感覚の関係を中枢神経機能水準との関連から考察している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光呈示装置(積分球)などの実験装置を完成し,実験を千葉大学と名城大学でそれぞれ予定通り実施することができた。また,事象関連電位P300の測定および解析についても順調に実施できた。以上のことから,おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度に得られた結果を精査すると共に,24年度も千葉大学と名城大学でそれぞれ10名の被験者を用いて計画通り実験を行う予定である。23年度,24年度実験を併せて,合計40名の結果を分析し,産出時間,事象関連電位P300の振幅と潜時の関係を検討し,光と時間感覚の関係を中枢神経機能水準との関連から明らかにする予定である。また,被験者の性格特性(特性不安,TypeA)を測定し,産出時間や生理反応との関連も検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
単波長光刺激は発光ダイオード(LED)を用いるので,各種波長のLEDを必要とする。実験の性質上,実験補助や被験者謝金は必須である。研究分担者との研究打合せ旅費と本研究の成果を積極的に国内外の学会で発表するために旅費を要する。
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Research Products
(1 results)