2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23657169
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
勝浦 哲夫 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00038986)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣鍔 直 名城大学, 理工学部, 教授 (30259874)
|
Keywords | 生理人類学 / 時間感覚 / 単波長光 / 発光ダイオード / 産出時間 / P300振幅 |
Research Abstract |
本研究は,光と時間感覚に関する基礎的な研究として,青,緑,黄,赤など多種類の単波長光環境における時間感覚を測定し,同時に音刺激を用いたオドボール課題による事象関連電位を測定し,時間感覚と中枢神経機能水準の関連を明らかにすることを目的として実施した。平成23年度に20名,平成24年度に20名,合計40名の被験者を用いて,波長470 nm(青色),505 nm(緑色),590 nm(黄色),660 nm(赤色)の発光ダイオード(LED)による単波長光暴露中に時間産出タスクと事象関連電位P300の測定,主観評価等を行った。時間産出タスクで得られた180秒の産出時間(平均±標準偏差)は,青色光:213.7 ± 49.0 s,緑色光:196.8 ± 49.4 s,黄色光:193.6 ± 46.8 s,赤色光:179.1 ± 42.0 sであった。産出時間に及ぼす単波長光の主効果は有意(p = 0.013)であり,赤色光の産出時間は青色光での産出時間より有意(p = 0.002)に短いことが明らかとなった。また,事象関連電位P300のピーク潜時には単波長光の有意な主効果は認められなかったが,Fz部位で得られたP300振幅には有意(p =0.038)な主効果が認められ,赤色光のP300振幅(15.0 ± 4.2 microV)は青色光のP300振幅(11.1 ± 4.0 microV)より有意に大きいことが示された。このことから赤色光暴露により大脳の活動水準が高くなったものと考えられる。体内の時間経過時計は脳内にあることが示唆されており,脳の活動水準が高い程,この体内時計が加速され,赤色光で産出時間が短くなったものと思われる。
|
Research Products
(1 results)