2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23658005
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長戸 康郎 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (10143413)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桧原 健一郎 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (10595713)
|
Keywords | イネ / juvenile-adult相転換 / PPS遺伝子 / PRE遺伝子 / MORI1遺伝子 |
Research Abstract |
1. 変異体を用いたjuvenile-adult相転換の解析 ポジショナルクローニング法によりjuvenile phaseが長くなるpps変異体の原因遺伝子を同定した結果、シロイヌナズナの光形態形成に関与するCOP1のオーソログであった。ppsも暗所で光り形態形成を行うが、COP1遺伝子はjuvenile-adult相転換には関わらないので、イネが進化する過程で、PPSは新規の機能を獲得したと考えられる。この成果は既にPLANT CELL誌に公表した。precocious (pre)変異体は、葉の中肋の有無などの解析から、juvenile phaseが短くなっていると思われる.出穂期は野生型より5日程度早くなっており、adult phaseの期間は変わらない。 KasalathとのF2集団を用いたポジショナルクローニング解析により、PRE遺伝子はジャスモン酸の生合成に関わっていることを明らかにし、ジャスモン酸の新規の機能を見いだすことができた。mori変異体はjuvenile phaseが永続するという興味深い表現型を示す。MORIがmicroRNAやジベレリン関連遺伝子の上流に位置することを明らかにした。ポジショナルクローニング法により原因遺伝子を特定し、機能解析を進めている。 2.品種群分化におけるヘテロクロニー 形態的、生理的マーカーを用いて、japonica, indica品種群におけるjuvenile-adult相転換寿期を調査した結果、indica品種では相転換が早まっていることが明らかになった。コシヒカリx Kasalathの染色体断片置換系統を用いたQTL解析により、相転換時期は主に2遺伝子座により支配されていることを明らかにした。また、野生イネもjaponica品種に比べて相転換が早まっており、その転換時期も上記の2遺伝子座が関わっていることが予想された。
|