2012 Fiscal Year Annual Research Report
バイオエタノール及び高品質サイレージ生産に有用なソルガムの種子高糖性遺伝子の解析
Project/Area Number |
23658007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐塚 隆志 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 准教授 (70362291)
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Keywords | ソルガム / Sugary Feterita / 種子高糖性 / SUGARY1 |
Research Abstract |
種子高糖性ソルガム Sugary Feterita(SF)の種子高糖性遺伝子を同定するため、SFと那系 MS-3B(種子低糖性)の雑種 F2集団を用いてポジショナルクローニングを行った。高糖性の種子はしわ型の表現型を示すことから、まずこの表現型に注目してF2集団の分離比を調べたところ、しわなし:しわは、ほぼ 3:1 に分離し、種子高糖性は劣性の一遺伝子支配であると考えられた。次に、約1,700のSSRマーカーをスクリーニングし、両品種間で多型を示す170のマーカーを選抜した。ラフマッピングの結果、原因遺伝子は第7染色体の60.6~64.0 Mbに座乗していることが明らかとなった。この領域には、スイートコーンの種子高糖性の原因遺伝子の一つであり、デンプン合成系の枝切り酵素の遺伝子SUGARY1(SU1)が座乗していた。このソルガムSU1(SbSU1)の塩基配列をSFと那系MS-3Bで比較したところ、2ヶ所のエキソンでアミノ酸置換を引き起こす塩基置換が確認された。野生型及び変異型アリルの生物学的活性の違いを明らかにするため、イネOsSU1の変異体に、SbSU1のそれぞれのアリルを形質転換した植物体を作製した(表現型を評価中)。また、原品種Feteritaでは、種子での貯蔵デンプン合成が盛んな開花後11日頃をピークにSbSU1の転写産物が確認された。SFでは、この SbSU1に変異があるため、種子でのデンプン合成に障害が生じ、糖が蓄積すると推察された。また、SFは原品種Feteritaと比較し、サイレージ特性に優れることも明らかとなった。これらの知見を育種へ活用するため、スイートソルガムSIL-05とSFを交配し、F2集団を作出することで、種子高糖性と稈高糖性を併せ持つ新品種に向けた素材を育成した。
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Research Products
(2 results)