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2011 Fiscal Year Research-status Report

銀ナノ微粒子を利用した切り花・花木の新たなポストハーベスト技術の確立

Research Project

Project/Area Number 23658022
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

村山 秀樹  山形大学, 農学部, 教授 (40230015)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords銀ナノ微粒子 / 抗菌 / 切り花 / 鮮度保持
Research Abstract

切り花の鮮度保持剤の大半は,生け水中に加えるものであり,使用後は回収されずに破棄されているのが現状である。鮮度保持剤の中には重金属の銀イオンを含むものも多く,その環境への影響が懸念されている。そこで本研究では,銀ナノ微粒子をコーティングした花器を利用して,切り花の鮮度保持効果を検討した。 実験には,秋田県立大学フィールド教育研究センターで栽培し,商業的な採花ステージで収穫したオーニソガラムを供試した。銀ナノ微粒子をコーティングした200ml容プラスチック製容器を花器として用い,非コーティングのものを対照とした。また,スクロース併用処理区も設けた。切り花は温度20℃の条件下におき,経時的に生け水中の生菌数を測定するとともに,切り花の新鮮重,吸水量および開花率を調査した。 その結果,生け水中の生菌数は,対照区で10⁵~106CFU/mlまで増加した。これに対して,銀ナノ微粒子区では,スクロースの有無にかかわらず,実験期間中,菌の増殖は認められなかった。切り花の吸水量は,スクロースの有無にかかわらず,銀ナノ微粒子で実験期間中高い値で推移した。また,切り花の新鮮重も銀ナノ微粒子区で終始高かった。全体の小花のうち,開花している花の割合で示した開花率については,銀ナノ微粒子とスクロースの併用区で,実験期間中高い値で推移した。 以上の結果から,花器への銀ナノ微粒子のコーティング処理は,生け水中の細菌の増殖を抑え,切り花の新鮮重や吸水量を高い値で維持することが判明した。また,スクロースを併用することにより,全小花数に占める開花した花の割合が高い値で推移し,切り花の品質が向上した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は,銀ナノ微粒子をコーティングした花器を利用して,エチレン感受性の高い切り花と低い切り花の鮮度保持効果を検討する計画であった。実際には,エチレン感受性の高い花の研究は実施できなかったが,エチレン感受性の低いオーニソガラムにおいて,花器への銀ナノ微粒子のコーティング処理が,生け水中の細菌の増殖を抑え,切り花の新鮮重や吸水量を高い値で維持することができることを明らかにしたことから,研究はおおむね順調に推移していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

銀ナノ微粒子をコーティングした花器がエチレン感受性の高い切り花ならび花木(啓翁桜)の鮮度保持におよぼす影響を調べるとともに,リターナブル資材に銀ナノ微粒子をコーティングし,その効果を調査する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

昨年度実施できなかったエチレン感受性の高い切り花で,銀ナノ微粒子をコーティングした花器の効果を検証する。

URL: 

Published: 2013-07-10  

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