2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23658025
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
菅谷 純子 筑波大学, 生命環境系, 教授 (90302372)
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Keywords | 果樹園芸学 / 果実着色 / アントシアニン |
Research Abstract |
近年、温暖化などによりブドウやリンゴにおいて、果皮の着色不良が問題になっている。本研究では、果実着色に対する環境の影響について研究を行い、果実の着色期に果実に青色光を補光することにより、果皮のアントシアニン組成に影響があることを、生理学的、生化学的に明らかにし、分子レベルのメカニズムを解明しようとするものである。平成25年度については、平成24年度に引き続き、露地栽培のブドウ‘巨峰’について、青色光のLEDによる補光を行い、果皮のアントシアニン分析等を行った。また、ブドウ果実中のABA(アブシシン酸)量についてLC-MS/MSにて分析し、青色光の影響について検討を行った。一方、様々な波長のLEDを、採取した果粒に照射した際の、果皮の変化について分析を行い、青色光照射と赤色光照射の影響がどのようなメカニズムになっているのかについて検討した。また、黒色ブドウに特徴的なデルフィニジン系ブドウの生合成を制御すると考えられるF3'5'H(フラボノイド3',5'水酸化)酵素について、その遺伝子の上流域について検討を行った。 その結果、青色LEDは赤色LEDと比較して、アントシアニン、特にデルフィニジン生合成に促進的に機能することが圃場の成木を用いた実験からも明らかになった。 ブドウの品質において、アントシアニン蓄積量と組成は重要な形質である。その制御を行うために、LEDなどによる補光は大変有効であることが示唆された。
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